ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第682回
Meteor Lakeの性能向上に大きく貢献した3D積層技術Foverosの正体 インテル CPUロードマップ
2022年08月29日 12時00分更新
Meteor LakeではAlder Lakeをやや上回る電力供給が可能
さて、冒頭に書いたように製品の紹介や内部アーキテクチャーの説明などはないのだが、代わりにおもしろいスライドがあった。
まず電力供給に関して。Meteor Lake、最初の世代ではAlder Lakeの半分くらいまでしかピーク時電力の供給ができなかったらしい。ところがそこから最適化を繰り返し、最終的にはAlder Lakeをやや上回る(10%程度)電力供給が可能というところまで持って行ったそうだ。
Alder Lakeのモバイル向けでは「Core i9-12950HX」がPL1 55W/PL2 157Wになっているから、このPL2側が1割程度アップということで、170Wくらいまで引っ張れるようになった、ということだと考えられる。
また、チップレット構成を取ったことで、現状ではモノリシックの場合に加えて2~3%の性能低下が発生しているとする。
ただその低下分を埋めて余るほど、プロセス微細化による性能向上やコアのアーキテクチャー改良などでの性能向上がある、としている。これは模式図というかコンセプト図なので、どこまで上がるのか? という話は現状不明なのだが。
そして最後の締めのスライドがまたもやこれである。ラボで動いているのはいいが、問題はそれを量産できるのか?というあたりは相変わらず不明なままである。
このあたり、年末までになにかしら情報が出るだろうか? 当面はRaptor Lakeの投入に備える感じで、Meteor Lakeに関してはその後なので、年内になにか情報が出ればラッキー程度と考えておいた方が良いだろう。
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