このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

Windows Info 第341回

Windows上でAndroidアプリが動く、Windows Subsystem for Androidの日本語版を試す

2022年08月21日 10時00分更新

文● 塩田紳二 編集● ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

Androidアプリの開発にも利用できる

 Windows上でAndroidアプリケーションを開発する場合、これまではAndroid SDKに含まれる「Androidエミュレータ」、もしくは実機によるデバッグが一般的だった。実機によるデバッグは、USBケーブルやネットワーク経由でAndroidスマートフォン実機とWindowsマシンを接続し、ADB(Android Debug Bridge)と呼ばれる機構を用いる。

 WSAでは実機と同じく、ADB経由でアプリケーションのデバッグ作業が可能になる。そのためには前述のWSA設定の「開発者」→「開発者モード」をオンし、Android Studio(開発環境、wingetでもインストール可能)をインストールしておく。

 WSAと接続するためのadb.exeは」C:\Program Files (x86)\Android\android-sdk\platform-tools」にある。これを使って

adb.exe connect 127.0.0.1:58526

とすれば、WSAと接続が行われる(ポート番号などは変わる可能性がある)。その後は、たとえば「adb.exe shell」でAndroid内のシェルを起動することが可能になる。

adb.exeを使ってWSAに接続し、Android内部でシェルを起動したところ。unameコマンドの出力は異なるが、カーネルのバージョンはWSLと同じだった

 Windowsでも、Androidのアプリケーションを使いたいと思うユーザーは少なくはないとは思う。ただし、ChromebookでAndroidアプリを動作させた場合と同じく、スマートフォンとはハードの環境も異なるため、利用できる機能などには違いがある。たとえば、大半のChromebookには、スマートフォンには通常あるGPS、位置情報機能がないので、Googleマップは動いてもナビゲーションはできないといった問題があった。おそらくWSAでも同種のことは起きるだろう。

 また、異なるマシンでの利用に制限がある、あるいは設定などを共有できないAndroidアプリケーションも少なくない。Androidスマートフォンの通知を受け取りたいだけなら、Windows標準の「スマートフォン連携」アプリもある。また、Windows版もあるAndroidアプリは少なからずある。

 というわけで、開発用としては評価はできるが、Windowsの標準機能としてはどうなのか、ちょっと疑問もある。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン