Windows 11ではMicrosoft Storeもリニューアルされた。デザインが変わっただけでなく、中身も大きく変わっている。
これまでMicrosoft StoreではUWP(Universal Windows Platform)アプリのみ公開されていたが、使い勝手が悪く普及しなかった。アップルのApp StoreやゲームではSteamなど、ライバルのアプリストアがエコシステムを構築する中、マイクロソフトは泥沼の状況になってしまっていたのだ。
そこでこの度、抜本的に改革しユーザーと開発者達を呼び戻そうとしている。まず、UWPだけでなく、Win32アプリをはじめ、.NET、UWP、Xamarin、Electron、React Native、Java、プログレッシブWebアプリなども公開できるようになったのだ。今後はバリエーション豊かなアプリがストアで登場することを期待したい。
そして、グーグルではなくアマゾンとの提携にはなるのだが、Android向けアプリにも対応する。ARMプロセッサだけでなく、一般的なx86プロセッサでもAndroidアプリが動作するのだ。イベントのデモでは、Windows 11上でAndroid向けの「TikTok」アプリが動作している様子が見られた。
大人の事情でまずはAmazonのAppstoreと連携するようだが、将来はぜひグーグルとも連携していただきたいところ。
Windows 11アプリの開発者を増やすために、収益の仕組みも変えた。通常のアプリは開発者が85%でマイクロソフトが15%、ゲームの場合は開発者が88%でマイクロソフトが12%という取り分となる。しかし、アプリ開発者がアプリに独自の決裁プラットフォームを導入すれば、マイクロソフトに料金を支払わず、取り分100%にすることができる。イベントではクリエイティブクラウドやドキュメントクラウドを提供するAdobeを例に挙げていた。
Microsoftストアで多彩なアプリが公開されるようになれば、ユーザーもそこからインストールするようになるだろう。有料アプリも売れるようになれば、開発者も戻ってきて盛り上がるかもしれない。Androidの多彩なアプリがWindows 11で利用できるというのもとても楽しみだ。
Windows 11は10月5日から一般提供が始まるが、その時点ではAndroidアプリの対応は間に合わなそう。12月くらいにお目見えしそうなので、期待して待ちたい。
ちなみに、すでに「Windows Subsystem for Android」というアプリがMicrosoft Storeに登録されている。現時点ではダミーなのだが、必要メモリが最低8GB、推奨16GBとWindows 11の要件である4GB以上よりも厳しい。このあたりがどうなるのかも含めて、今後の動向もチェックしていきたい。

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