業務を変えるkintoneユーザー事例 第152回
kintone導入でクリエイティブな施策に時間を使えるようになった
音楽業界1年生LITORYがkintoneでニューゲームを始めたわけ
2022年09月01日 09時00分更新
そんな時、平田氏はkintoneのテレビCMに目を留めた。元々IT業界にいたのでサイボウズもkintoneも知っていたが、自社の課題解決につながるとは気がついていなかったのだ。「灯台もと暗しだな」と平田氏。
早速、kintoneのトライアルを申し込み、その日にアプリを作り始めたそう。使っていたら面白くなり、2日間で8アプリも作成してしまった。特に衝撃を受けたのが、テーブル機能だったという。自由に項目を組んだテーブルがドラッグ&ドロップで作れるのか、と驚いたそう。
「ルックアップ機能でアプリ間をマスターとして相互参照しながら、検索ができ、自由に項目も設定できる。ドロップダウンもできるし、リッチエディタも付いていて、至れり尽くせりだなと思いました。元IT屋さんなので、製品を比べたくなって、いろんなウェブアプリを触ってみましたが、圧倒的にkintoneが良かった点が変更履歴でした」(平田氏)
Excelやスプレッドシートでは不用意に上書きしてしまい、気がついたらデータが消えてしまうということがある。アプリはマネジメントする平田氏だけでなく、スタッフも触ることになる。そんな時にデータを失わないために、kintoneの変更履歴機能がとても重要だったという。
kintoneを本格導入し、最初に取り組んだのはイベントの収支管理だった。すべての売り上げと経費、利益を全部計算できるようにした。工夫したのは、売り上げを入力する際、マスターから参照する項目と手入力する項目を分けて用意し、それを集計できるようにした点だ。
グッズ系の売上など、固定的な商品は価格が決まっているので、誰が入力しても間違いないように、マスターから参照をさせている。一方でチケットはライブごとによって金額が変わるので、手入力できるようにした。
「会計システムで管理しようとすると、事業丸ごとの管理になってしまいます。イベントごとの管理はプロジェクト管理的な要素が強く、そういったプロジェクト管理的なものをkintoneで実現できるのは柔軟性が高いなと感じています」(平田氏)
もう一つ、よく使われてるのが経費申請アプリだという。アーティストにkintoneで申請してもらい、裏面に申請したレコード番号を書いた領収書を提出してもらい、突合し、月末に振り込むという流れだ。このアプリでは、kintoneのプロセス管理機能を使ってワークフローを構築している。
kintoneを活かして、クリエイティブな時間をより多く作る
kintoneアプリで管理することで、数字を元にアーティストと話ができるようになった。また、アーティスト側にも変化があり、勝ち筋が見えてきた、と平田氏。
「今回の登壇に当たって、THIS VERY DAYに感想を聞いたところ、kintoneのデータを活かして次の施策を打とうと、すごく前向きな回答をもらいまして、とてもうれしい気分になりました。kintoneを導入して一番よかったのは、クリエイティブな施策を立てるためのデータが揃ったというところです」(平田氏)
前回のライブでは売り上げやチケットの販売がどの程度足りなかったから、今回はチケットの告知を増やそうとか、もう少し売れば利益になるので物販の告知を増やそうといった行動に結び付いてきた。目標管理も行ない、前回対比でどのくらいいった、いかないというところまで考えてくれるようになった。
「音楽業界の方から音楽業界1年生じゃダメですよね、平田さんの強みってなんですか、と言われました。この時は即答できませんでしたが、私が今日ここに立ってるのが、その強みにつながってると思います。強くてニューゲームをしなければいけなかったんですね」と平田市は語る。
その上で、「私はITツールに抵抗感はないですし、業務改善の観点も持っています。外部の方と一緒にチームを組んで、情報共有をしながら物事を進めてきたという強みもあります。自分の強みを改めて再発見できたkintoneというツールを活かして、アーティストがクリエイティブな時間をより多く作るということに、これからも注力をしていきたいと思っています」と締めた。

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