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業務を変えるkintoneユーザー事例 第152回

kintone導入でクリエイティブな施策に時間を使えるようになった

音楽業界1年生LITORYがkintoneでニューゲームを始めたわけ

2022年09月01日 09時00分更新

文● 柳谷智宣 編集●MOVIEW 清水

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 4月から開催された「kintone hive 2022」もいよいよ最後。7月21日に東京のZepp Divercityで「kintone hive tokyo」が開催された。kintone hiveはkintoneのユーザー事例を共有しあうイベントで、優勝した企業は「kintone AWARD」に進出する。「kintone hive tokyo」では7社が登壇し、今回はトップバッターのLITORY 平田圭氏によるプレゼン「アーティストのマネジメント業務にkintoneを活用。感覚頼りのアーティスト活動に変化が」のレポートを紹介する。

LITORY 平田圭氏

どうしても音楽の仕事がしたいと起業もコロナ禍に

 LITORYはLIVEとSTORYからの造語で、ライブは音楽ライブという意味に加えて生きるという意味もかけて、アーティストの生きざまをストーリーとして伝えるということをミッションとしている。現在は、女性ボーカルのSTART TO BLINGとピアノロックバンドのTHIS VERY DAYという2組のアーティストをマネジメントしている。同時に、ライブイベントの制作事業も行なっており、昨年末には豊洲PITでeスポーツと音楽のフェスのようなクロスオーバーのフェスなども手がけている。

「私も大学時代バンドをやっていたのですが、普通に新卒でIT業界に入社してます。約20年間、営業やマーケティング、インサイドセールスなどなどを担当してきました。しかし、2020年にどうしても死ぬまでに音楽の仕事がしたいと、思い切って起業しました」(平田氏)

 プレゼンのアジェンダは、平田氏らしくセットリスト形式で紹介された。BGMがかすかに流れるのも、kintone hiveでは珍しい。

 2020年3月にコロナ禍で緊急事態宣言が出されたが、平田氏は起業したばかりなので、立ち止まるわけにはいかない。

「心臓をつかまれるような、冷たい感覚が全身巡ったのを覚えてます。こんなこと本当に起こるんだなって思いました」(平田氏)

 イベントが次々と中止になる中、平田氏はめげずに色々な人に相談したおかげで、早い段階から下北沢のライブハウスと手を組んで無観客ライブ配信を始めることができた。そこで出会ったのが、THIS VERY DAYというバンドとSTART TO BLINGの茉莉奈さんだった。音楽や世界がどうなっていくのか、といった話をするうちに、一緒にやろうという流れになり、アーティストのマネジメント事業を手がけることになった。

LITORYがマネジメントしているTHIS VERY DAYとSTART TO BLING

マネージメント業務のExcelを使ったが問題が多く、kintoneにたどりつく

 平田氏はずっとIT業界にいたので、音楽業界の経験や知識は持っていない。手探りの中始めたので、何から手をつければいいかわからなかった。そこで、日々活動しているアーティストを支えるために、まずはライブの収支の管理から着手することにした。

 最初はExcelを利用した。毎回のライブの売り上げや経費を入力していたのだが、集計時に問題が起きた。ライブごとの集計は、1枚のExcelシートで済むが、複数回重なってくると、シートが分かれたり、ファイルが分かれてしまうようになった。

 複数シートをまたいだピボットテーブルは少し操作を間違えただけで集計が崩れてたり、不用意な項目追加で集計が変わってしまう。時間が経つほどに管理シートは増殖し、誤操作の上書きでデータが消えてしまったり、2重管理をしていたりと、さまざまな問題が発生した。

Excelを駆使しての管理では課題が多かった

「1番困ったのはアーティストとの打ち合わせです。次のライブをどうするかを話すときに、前回のライブの振り返りはできますが、今までの入場者数やグッズの売り上げの推移などが見られずに、どうしても感覚値での会話になってしまいます。これけっこう売れてたよねとか、あの時だいぶお客さん入ってたよねとか、実数値とどんどん離れてしまいました」(平田氏)

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