Core i9-12900HとRTX 3070 Tiを採用、DDR 5メモリーやPCIe 4.0 SSDと最新パーツ目白押し

編集時にわかる16:10の便利さ! クリエイター向け「DAIV」の最新16型ノートPCは薄型軽量ボディーにデスクトップ級の性能を搭載

文●周防克弥 編集●八尋/ASCII

提供: マウスコンピューター

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デスクトップ級の性能を発揮
クリエイティブ作業も超快適

 続いて気になる性能をチェックしていこう。構成をおさらいしておくとCPUはCore i9-12900Hで、14コア/20スレッドで動作する。インテルの第12世代Coreプロセッサーシリーズのモバイル用のハイエンドCPUだ。ちょっと前までならCore i9がノートパソコンに搭載されるなんて思いもしなかったが、ここ数世代でモバイル用プロセッサー事情は大きく変わり、Core i7のようなハイクラスCPUで排熱に苦労するくらいなら、1つ上のクラスのCPUで電圧を下げたほうが総合的な性能向上につながるのだろう。

 CPUそのものの性能は大きく上がっているが、電力効率も大幅に向上しているようだ。そのぶん価格も大きく向上しているのは仕方ないが、ノートパソコンでありながらもデスクトップパソコンに引けを取らない処理能力を実現できているので、利用場所を問わずにいかんなく処理能力を発揮できているのは、ユーザーにとっては便利以外のなにものでもない。

CPU-Zで情報を見るとCore i9-12900Hが確認できる。Core i9が45Wで動作しているのも驚きだ

 組み合わされるGPUは、NVIDIAのGeForce RTX 3070 Ti Laptop GPUが搭載されている。さすがにこれだけ薄い筐体では、RTX 3080の発熱処理は難しいのだろう。個人的には3070 Tiで処理能力は十分と思えるのだが、3080シリーズになるとLaptop用とはいえビデオメモリーが16GBと倍に増えるので、今後に期待といったところだ。

GeForce RTX 3070 TiはLaptop用だが、専用ビデオメモリーを8GB備え、バス幅も256bit、シェーダー数は5888基と、スペック的にはかなり本気なGPUだ

GPUは内蔵グラフィックスも有効化されているのがかわる。Core HシリーズはディスクリートGPU搭載を前提にしたCPUであるため、インテル Iris Xe グラフィックスの実行ユニット数は96と、Tiger Lake世代と変わらない

 DAIV 6シリーズは一番ベーシックなモデルでも、メインメモリーは16GBとなっており、上位のDAIV 6Hの標準モデルでは32GBまで拡張されている。BTOで最大64GBまで搭載可能だが、今回試用したDAIV 6H(プレミアムモデル)には、最初から64GBだ。

 ストレージはDAIV 6Hの標準モデルだと1TBだが、プレミアムモデルでは2TB SSDが搭載されている。もちろん接続はNVMe Gen4x4だ。なおM.2スロットには1つ空きがあるので、さらに2TB SSDを搭載可能。最大で合計4TBの構成に変更できる。このあたりは用途にあわせて構成を選ぶのがいいだろう。また単純に容量だけでなく、同じ2TB SSDでNVMe Gen4x4接続でも、より高速なデータ転送が可能なSSDへの変更も可能だ。

スペックではNVMe Gen4x4となっているが、CrystalDiskInfoでは転送モードが不明になっている。速度的にはシーケンシャルリードが約4000MB/s、ライトが約3200MB/s出ているので、十分な速度といえる

 今回いくつかベンチマークテストを行なったが、テスト時の設定はバランスモードにしている。DAIVシリーズには基本的に電源設定が行なえる「Control Center」が付属しているのだが、DAIV 6H (プレミアムモデル)の同アプリでは、バランスモードと静音モードしか選択肢がないため、バランスモードを選択した次第だ。またWindows11の電源設定でも、「最適なパフォーマンス」を選択している。

パワーセッティングはシンプルに2択。高負荷なテスト中は筐体も結構熱を持っていたので、贅沢をいえばターボモードがほしかったところだ

 従来の「Control Center」では性能重視の項目や、手動でファンを回すターボモードといった項目があったのだが、本機ではその項目がなくなっている。パフォーマンス重視の項目はなくてもいいのだが、ファンを手動で動作させるモードはぜひともほしいと感じた。

 では早速「CINEBENCH R23」の結果からみていこう。CPU単体の処理能力を測定できるソフトで、デフォルトで設定されている10分の連続動作を行なった際のスコアを計測している。

マルチで15178pts、シングルで1903ptsと圧倒的なスコアが出ている

 CINEBENCH R23の結果はマルチで15178pts、シングルで1903ptsと高いスコアを叩き出した。薄い筐体に収めているので、それなりの電力制限はかかっていると思うが、十分にノートパソコン離れした結果になった。なお「Core Temp」で見た感じ温度は大丈夫そうだが、キーボードの右側上部、電源ボタン付近はかなり放熱しているように感じた。

CPUのコア温度を表示する「Core Temp」とタスクマネージャーを表示しテスト中の様子をモニタリング。若干Core温度にばらつきがあるが、うまく排熱できているようだ

 次はパソコンの動作状況をシミュレートして総合的な性能を測定する「PCMark10」だ。総合値はもちろん項目ごとの結果が確認できるので、向き不向きもわかる。

総合スコアは「7522」と高い。各項目を見ても総じて高めのスコアが出ている

 項目ごとの結果を見ても、ほとんどの項目が5桁まで上がっている。「Video Editing Score」と「Video Conferencing Score」の2つの項目は、ほかの項目に比べると比較的低めのスコアが出ているが、これは処理に内蔵グラフィックスを利用しているのが原因だろう。

 Alder Lakeの内蔵グラフィックスは、Iris Xeアーキテクチャーがベースなので性能は高いが、実行ユニット数はCore i7-1165G7と同じ96と、けっして多いわけではない。これはTiger Lake-H以降のハイパフォーマンスCPUの内蔵GPUが、ディスクリートGPU搭載を前提にしているため、単体動作での性能があまり突き詰められてはいないと思われるからだ。

 Alder LakeのCPUは、パフォーマンス重視のPコアと高効率のEコアで構成されているが、同様の傾向がGPUにも適用されており、ディスクリートGPUと内蔵グラフィックスが適材適所で処理が振りわけられていると思われる。とはいえ、高負荷時にディスクリートGPUが動作しないということはないので、実作業において不満に感じることはないだろう。

 続いて「3DMark」でGPUの性能を見てみよう。RTX 3070 Tiは、ゲーム界隈ではミドルレンジに位置するが、それは3D系のゲームをプレイするのが基準になっているためで、DAIV 6Hでは、十分すぎる描画性能といえるだろう。

総合スコアは8566、GPUが8372でCPUが9868と高いスコアになっている

 DAIV 6Hのディスプレーは2560×1600ドットとフルHD(1920×1080ドット)よりも解像度が高いため、負荷が高くGPUのスコアがちょっと低くなっているが、それでもこれだけのスコアが出ているのは称賛すべき点だろう。