キヤノンから、小さくて、軽くて、かわいくて、安くて、猫AFが付いたカメラが出た!
だいたいにして、猫AFが付いてるカメラってそこそこのお値段がして、よほどの写真好き以外はちょっと手を出しづらい面もあったのだけど、そんな人にこそEOS R10なのだ。もはや、EOS Kiss Rといってもいいんじゃないかというくらい。
というわけで、いつもの「保護猫シェルター QUEUE」で猫撮影三昧なのだ。
気持ちよさそうに寝てる猫にカメラを向けると、ちゃんと猫の顔を認識。目を閉じてるから顔全体に四角い枠が出てるけど、目が開いてれば、ちゃんと瞳も認識してくれる。
EOS R10のレンズキットに付いてくるのは「RF-S18-45mm F4.5-6.3」という軽くてコンパクトなズームレンズなんだけど(「RF-S18-150mm F3.5-6.3」とのキットもある)、EOS R10には単焦点レンズが似合うと思う。
上の写真は「RF16mm F2.8」という薄型・軽量・単焦点レンズで撮ったもの。キヤノンのEOS R用レンズって、大きくて重くて高価だけど性能を追求したラインと、小型・軽量で価格を抑えたカジュアルなラインの2つがあって、カジュアルなほうのレンズはEOS R10とすごくマッチするのだ。
冒頭の写真も、この「RF16mm F2.8」で撮影。キャットタワーの上でくつろいでる猫にピントを合わせつつ(まあ、勝手に猫の瞳にピントが合ってくれるのであるが)、高い位置からシェルター内の雰囲気がわかる感じで入れてみた。広角のスナップ用レンズとして、背景を広く入れたり、ぐぐっと近づいて撮ったりするのに向いている。
同じく「RF16mm F2.8」で撮った、ケージの中でお昼寝中の子猫。すごく幸せそうな顔で寝てる。そうでなくてもあご乗せ猫ってかわいいのに。このアングルだと身体が隠れてほぼ顔だけになって、それがまたちょっと妖しい感じがするのもいい。
ちなみに、保護されたばかりの子猫なので、まだケージに入れられているのである。たまたま、そんな子猫兄弟がいたのだ。
次は、その姿を「RF35mm F1.8 MACRO」というレンズで撮ってみた。EOS R用としては初期からあるレンズで、EOS R10に付けるとちょっとレンズが大きく感じるのだけど、手ブレ補正を内蔵してるし、ぐぐっと近くまで寄れるし、APS-CのEOS R10に付けると標準レンズ的に使えていいのだ。
F1.8だとけっこう前後が大きくぼけるので、ケージ越しに撮ってもこんな感じになる。外に出たいと鳴いていたのが印象的だ。
もう1枚行きたい。ごろんと転がってた猫の顔を「RF35mm F1.8 MACRO」でねらってみた。近寄れば近寄るほどボケが大きくなるので、いい距離感でねらうと、デジタル一眼らしい柔らかい写真になる。
今回、望遠系のレンズは借りなかったので、ほぼ室内の写真になっちゃったけど、一度だけ、とある神社で人に慣れた猫に会えたので、最後はその写真で締めたい。
雨まじりの夕刻、チャトラと黒の2匹の猫が軒下にちょこんと座ってたのだ。ちょっと元気はなさげだけど、蒸し暑い日だったからね。ここで地面に這いつくばると私も濡れちゃうので(さすがに膝や肘が濡れた姿で電車に乗りたくないし)、モニタを開いて上を向け、しゃがんで猫の目の高さくらいにカメラを下げて撮影した。
うちの猫をかわいく、あるいはカッコよく、あるいはアーティスティックに、あるいはそれっぽく(「それ」ってなんだよ)撮りたい。でも、本格的なデジタル一眼は高価だし、使いこなすのが難しそうだし、という人はぜひEOS R10を手にしてみるべし。ハイエンド機のような重厚感はないけど、そのぶん親しみやすい軽さがある。
お値段も、iPhone 13 ProやXperia 1 Ⅳより安いくらいだしね……って、デジタル一眼の価格をスマホと比べる時代がくるとは思わなかったわ。
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筆者紹介─荻窪 圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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