キヤノンから発売される新型猫撮影ミラーレス一眼「EOS R7」。今回、発売前の試作機をお借りすることができた。試作機なので最終製品とは異なるのであるが、その辺留意のうえ、猫撮影である。
EOS R7は、EOS Rシリーズ初のAPS-Cサイズセンサーモデル。でも、EOS R3/R5/R6といったフルサイズセンサー機と同様、猫の瞳(目をつぶってたら顔、向こうを向いてたら身体)を検出して、すぱっとフォーカスを合わせてくれるとか、高速連写で動く猫を追っかけてくれるとか、その辺の性能は折り紙付きだ。むしろ、APS-Cサイズセンサーにしたことで、ボディも小型・軽量だし、価格もお手ごろになったしで、猫散歩用としてはいい感じなのである。
何はともあれ、猫散歩に欠かせないのが猫検出AF。ちゃんと瞳に合ってる。草むらの奥という暗いところにいたので条件は悪いけど、きちんと瞳にフォーカスが来てくれた。
ここは都内の、とある公園なのだけど、歩き疲れて立ち寄ったら猫がいたのである。それも、猫の世話をしてるとおぼしき人がその辺の草で猫と遊んでたので、じゃまをしないよう遠くからそっと望遠で撮ったのが冒頭写真。高速連写した中の1枚だ。
連写でねらってたら、たまたま遊びながら大あくびした顔が撮れたのでそちらもどうぞ。左前足で草を押さえたままあくびしてるとこがなんともいい。首輪をしてるので、ずいぶんかわいがられているんだろう。
この公園には黒猫もいて、ちょうど門番っぽく見える場所で座ってたので、モニタを開いて上から見えるようにして、なおかつ這いつくばって地面ギリギリで撮影。そのほうが門番っぽい貫禄が出るから。
猫AFという点に関しては、EOS Rシリーズはかなりいい(ただし、初代EOS RとRPは除く)んだけど、お散歩カメラとしてはちと重くてかさばる。その点、EOS R7はボディもレンズも軽いのでありがたい。
この日、ぶらぶらと暗渠を散歩してたら、その隣の屋根の上に黒猫がいたのである。なんか黒いものがいるなと思ったら猫だったのだ。さっとレンズを向けると、さっと瞳にピントが合ってくれる。
このAFは、手前に草があろうがなんだろうが、猫の瞳を見つけたらちゃんとそこにピントが合ってくれるので、這いつくばって、手前にわざと草を入れたりもできるのがいい。
今回はさらに、100-400mmという超望遠ズームも用意してみた。APS-CサイズセンサーのR7につけると、望遠端はなんと640mm相当になるのだ。めちゃ遠くの猫も警戒心が強い猫も、この超望遠ズームがあれば安心。
で、住宅街の小さな公園で休憩してるとき、猫の声がしたのである。遠くで猫らしき声がする。姿は見えない。どこかの家の中で飼い猫が鳴いてるのかなと思ったら、なんと、公園に隣接する古いマンションのベランダにそれらしき動物がいたのだ。なぜ居場所を知らせるように鳴いたのかは謎なのだけど(何か食べるもの持ってたらくれ、といいたかったんだろうか)、公園とマンションの敷地を分けるフェンスがあり、その向こうにベランダの柵があり、その向こうに猫の顔が見える。
これ、猫を撮ろうとしても手前の柵にピントが合っちゃうパターンじゃん、と思ったのだけど、そこはさすがの猫瞳AF。瞳を見つけると、手前の柵とかすだれとかではなく、ちゃんと猫にピントが合ってくれるのである。こういうとき、ああ、カメラのAFってすごく進化してるんだなあ、どんどん撮影が楽になっていくなあと思う。
肉眼ではよくわからない遠くの猫と、カメラを通して見つめ合うのもなかなか不思議なものである。
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筆者紹介─荻窪 圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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