デジタル+サブスクでアートを飾れる「理想の商品」で、オフィスにうるおいと楽しさを!
デジタルキャンバス「Meural」に一目ぼれ? オフィス改装までしたメイワ電子に聞く
2022年07月08日 11時00分更新
「ネットでMeural(ミューラル)を発見したときは、『探していた理想の商品が見つかった!』と思いました。そこで翌日すぐに、ショールームに実機を見に行ったんです。表示が驚くほどきれいで、さらに(アート作品の)サブスクについても詳しく教えてもらい、これはすごいなと衝撃でした」(メイワ電子 代表取締役社長の竹田直矢さん)
神奈川県横浜市瀬谷区に本社を構える、電子部品メーカーのメイワ電子。同社では今年(2022年)春、本社オフィスにネットギアのスマートアートキャンバス「MeuralキャンバスII」(以下、Meural)を設置した。Meuralを飾る専用スペースとして、わざわざオフィスの壁を改装するほどの力の入れようだ。さらには地域の芸術文化振興に役立ててほしいと、地元の瀬谷区役所にもMeuralを寄贈している。
設置後、Meuralを目にした社員や来訪客からは好評と「驚き」が得られているという。そもそもなぜオフィスにMeuralを飾ろうと考えたのか、そこまでMeuralにほれ込んだ理由は何か、Meuralが見た人に与える「驚き」とはどんなものか――。竹田さんとメイワ電子社員の皆さんが熱く語る“Meuralがあるオフィスの楽しさ”に耳を傾けてみよう。
航空/防衛宇宙を中心に“一点もの”の電子部品を製作
メイワ電子は1985年設立の電子部品メーカーだ。航空業界、防衛・宇宙業界、その他一般産業向けに、ケーブルハーネスや電子基板、ユニット、電装などの設計開発を行っている。たとえば、航空分野では旅客機のギャレー(キッチン)やラバトリー(トイレ)を中心とした内装向けの電子部品や電装部品、また防衛・宇宙分野では護衛艦や特殊車両向けのケーブルハーネス、電波望遠鏡向けの極小ケーブルハーネスなどを手がける。
「メイワ電子の特徴は、設計から製作、検査まで一貫して、ワンストップで対応できることです。製造しかできないメーカーだと、お客さんの側で設計しなければなりませんが、製造段階がわからないので詳細な設計まで決められない。その点、メイワ電子ならば製造して確認しながら詳細設計を詰めていける、つまり“小回り”が効くんです。高い技術を求めるお客さんばかりですから、こちらも技術力で応えながらものづくりを進めています」(竹田さん)
そもそも、メイワ電子が航空/防衛宇宙分野の顧客向けに製作する部品は、汎用的な量産品ではなく、組み込むものに応じてカスタムメイドする、いわば“一点もの”の特殊部品が中心だという。部品の詳細設計や製作を担当する技術部の井出佳津典さんは、「専門特化した製品に強いメーカー」だと説明する。
「たとえばケーブルと言っても、当社の場合は『この船専用のケーブル』『この電波望遠鏡専用のケーブル』といった具合に、カスタムで製作するわけです。艦船用であれば、電源ケーブルから光ファイバーまでを束ねた、太くて何十メートルもあるようなケーブル。一方で電波望遠鏡のほうは、目に見えないほど細い線をまとめたケーブル。このように、多様な分野とニーズに応じて部品を設計、製作できます」(井出さん)
竹田さんはもうひとつ、メイワ電子の特徴として「女性社員が多く活躍している」ことも挙げた。
「製造業全体を見ると、やはり男性が中心ですし高齢化も進んでいます。そこを変えたいと、メイワ電子の場合は社員の半数、パートスタッフまで入れると3分の2が女性になっています。社員はとくに30代、20代が中心で、鈴木や五十嵐もそうですが、技術から営業、バックオフィスまで、積極的な配置転換を行ってさまざまな職務を経験してもらっています」(竹田さん)
オフィスに絵を飾りたい! ――でも踏み切れない?
竹田さんは2020年にメイワ電子の社長に就任した。それ以前の約20年間は、家具やインテリア用品を扱うニトリに勤務し、2013年以降はニトリの台湾事業や中国事業に携わって海外に赴任していた。
そもそもなぜオフィスにMeuralを飾ろうと考えたのか。発端は、製造業の現場に多い「貼り紙」だったと説明する。
「わたしが社長になった2年前は、製造業にありがちな『5S※注』や『○○に注意しよう』といった貼り紙がいろんな現場に貼ってあったんです。前職が家具、インテリアの世界だったこともありますが、やっぱりそれは見た目がきれいじゃない。なので、いったん貼り紙をはがすことにしました」(竹田さん)
※注:5S(5S活動)とは、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」(=5つのS)によって製造現場の職場環境改善を図る標語/取り組み。
ところが貼り紙を全部はがしてみると、今度は白い壁だけが広がり殺風景になってしまったという。そこで、代わりに絵画や写真を飾りたいと考えるようになった。
「オフィスを美しくしたいというだけでなく、社員教育として、技術や業務の教育とは別の“人生の教育”になるという想いもあります。ニトリの会長、似鳥昭雄という方は、小樽に美術館を開設したり、札幌のオーケストラの理事を務めたりしています。以前に『古くから伝わり、現在まで評価されているものには価値がある』と言われて、そうした価値観を身につけるために、芸術やクラシック音楽を学ぶよう勧められ、勉強するようになりました」(竹田さん)
芸術に触れる機会を日常的に持つ価値はよくわかる。しかし、オフィスに飾る絵画や写真をどう探し、選ぶのかが問題だった。デパートの画廊に入る勇気がなかなか出ない、値段を見てみたら結構高い、飾ってもそのうち飽きたらどうしよう――。そんなことを考え始めると、なかなか手が出せなかったという。
そこで思いついたのが「デジタル」の活用だ。この10年ほど暮らしていた台湾や中国では、デジタルサイネージが日常の中に浸透しており、小さな店舗やオフィスにもディスプレイが設置されていた。「ああいうかたちで、絵画や写真を流し続けたらいいのではないかと思いました」(竹田さん)。コストも安く済み、飽きたら画像を差し替えればよい。社員だけでなく、来社するお客さんにも楽しんでもらえそうだ。
しかし、このアイデアはすぐに行き詰まってしまう。ディスプレイに表示させる作品の高画質な画像が入手できなかったからだ。あきらめかけていたそのとき、友人がプロの画家として絵を描き始め、Facebookで作品を公開し始めた。
「最初はその友人に絵を頼んで定期的に絵を入れ替えようかな、とも考えました。ただ、考えていくうちに『もしかしたら“絵のサブスク”サービスもあるんじゃないか?』と気づいたんです」(竹田さん)
Meuralはデジタル+サブスクという「理想の商品」だった
調べてみると、“絵のサブスク”と呼べるようなサービスは以前からあることがわかった。オフィスや店舗向けに絵画や写真の作品をレンタルし、定期的に交換もできるサービスだ。ただし、どれも絵画や写真という物理的な「モノ」を貸し出すサービスだった。
そうした中で1つだけ、「デジタル版の」絵のサブスクサービスを見つけた。それがMeuralだった。
「Meralは、僕がイメージしていたものとまさにドンピシャで。『探していた理想の商品が見つかった!』と思いました」(竹田さん)
ぜひ実物を見てみたいと考えた竹田さんはすぐネットギアに連絡し、翌日にはショールームへと足を運ぶ。そこでMeuralの実機を目にした竹田さんは、「想像を超えるすばらしさに、即購入を決めました」と語る。言わば“一目ぼれ”だ。
「デジタルのアートフレームだとわかってはいるんですが、たとえば油絵の凹凸なんかがとても立体的に見えて、一瞬『あれ?』と(本物の絵かと)疑うくらいでした。思わず近寄って、ああ、やっぱり画像だったと確認したりして(笑)」(竹田さん)
サブスクリプションサービスの「Meuralメンバーシップ」についても、詳しく説明を聞いて驚いたという。このサービスは、世界中の美術館が所蔵する3万点以上のアート作品から、好きなものを選んでMeuralで飾ることができるというものだ。年額(税込)は1万340円である。「1カ月で1万円くらいかかるものと思ってましたから、これも衝撃でした」(竹田さん)。
結果、竹田さんはその場でMeural購入を即決し、メイワ電子のオフィスにMeuralが飾られることになった。
設置スペースを改装、社員もお客さんも驚く“小さな美術館”に
冒頭で触れたとおり、メイワ電子ではオフィスをわざわざ改修して、Meuralを設置するスペースを設けている。壁紙を貼り替え、照明を設置し、ネームプレートを付け、さらには壁に穴を開けて電源ケーブルが見えないように隠している。とくに「ケーブルを隠す」点については、井出さんが強くこだわったそうだ。
「パッと見た人に、デジタル画像ではなく『絵が飾ってある』と認識させるには、絶対にケーブルを見せてはダメだと思います。ケーブルがなければ、急に絵になる(絵のように見える)。そこは強く主張しました」(井出さん)
コストはかかったものの、「オフィス内で良い設置場所を探すよりは、いっそ作ってしまうほうがいい」(竹田さん)と考えて、Meuralによる“小さな美術館”が出来上がった。改装の相談を受けた人事/広報担当の五十嵐百合さんも「心地よい、快適な空間になったと思います」と喜ぶ。
設置後の反応はどうだったのか。航空業界への営業を担当する鈴木亜希さんは、Meuralについて事前に知らされていなかったので、まずは「自分自身が驚いた」という。
「1日くらいで急に壁紙が貼り替えられて、ここの雰囲気が変わりました。最初に見たときは『あっ、絵を飾ったんだな』くらいに思ってましたが、次に通りかかったら絵が変わっていて。『あれっ、絵じゃないかも!?』とびっくりしました」(鈴木さん)
鈴木さんと同じように、多くの来訪者も絵が切り替わったことに気づいて驚くという。竹田さんは「そういうサプライズは想定していました」と笑う。いったん驚かせてから、Meuralの紹介をしているそうだ。
「われわれの業界は堅い業界です。もちろん、モノづくりにおける『品質』や『標準』といった部分はきちんと堅くないといけませんが、ほかのところでは『発想の自由さ』も大切にしたい。メイワ電子はそういう会社だというアピールとして、Meuralを使っています」(竹田さん)
もちろん、オフィスに絵が飾られることで社内の雰囲気が楽しくなり、社員からも好評だと井出さんは語る。
「わたしが働いているフロアはほとんどが女性社員なのですが、みんな喜んでいますね。正直、工事が始まったときは『竹田さんは何をやってるの……?』と思っていたみたいですが(笑)、設置されたら『こういうのが会社にあるのはいいね』『これは心が癒やされる』と好評です」(井出さん)
地元区役所にも寄贈、芸術振興に役立ててほしい
Meuralに一目ぼれした竹田さんは、自社オフィスへの導入後も知人をネットギアのショールームに誘い、Meuralを紹介しているという。「3カ月間で3回も足を運んだ」という熱心さだ。それだけでなく、地元の瀬谷区役所にもMeuralの寄贈を申し出て受理され、現在は区役所のロビーに設置されている。
「瀬谷区は高等教育までは学業、スポーツ共に充実した地域ですが、大学も短大もなく、若い人がいったん出ていくこともあります。高齢の方も多い地域ですが、最近では、地域の団体や行政・企業が一体となって、2027年に『国際園芸博覧会(花博)』という大規模なイベントを予定し、将来の地域活性化につながる様々な活動が進んでいます。区役所にMeuralを寄贈してたくさんの人に見てもらったら、僕らが驚いたように地域の皆さんも驚いて、興味を持ってくれるかなと思いました。横浜市としても芸術振興に力を入れていますし」(竹田さん)
さらに竹田さんは「小中学校の美術室にMeuralが設置されていたら、相当面白いはず」だと語る。たしかに世界中の名画を、教科書の図版よりもずっと大きなサイズで鑑賞できれば、美術に対する子どもたちの興味も高まりそうだ。
「子どものころからそういう、古くて良いものに触れる機会を与えられる、育成できるきっかけになると思います。――いやあ、僕はMueralって、かなりアツいガジェットだと思っているんですよね!(笑)」(竹田さん)
(提供:ネットギア)
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