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NETGEAR製品導入事例

速読英語やオンライン英会話、オンライン授業で活用、千葉市・キッズイングリッシュクラブ

IT化が進む英語教室、フロアをまたぐWiFi接続で「Orbi Pro WiFi 6」導入

2022年10月11日 11時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp 写真● 永山亘

提供: ネットギア

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 千葉市美浜区、稲毛海岸駅近くのビル2階/3階にある「キッズイングリッシュクラブ」は、小中学生を中心とした全年齢対象の英語教室だ。17年前にこの地でスタートし、地域密着の活動を通じて口コミだけでじわじわと教室を拡大してきた。幼児から70代の大人まで、現在の生徒数はおよそ200名である。

 同教室の代表を務める鹿住尚子さんは「ホームページには『期待を超える英語教室』という言葉を掲げています」と述べ、その意味を次のように説明する。

 「生徒一人ひとりのニーズに細かく応えられるように、一人ひとりを大事にしようと思っていて。それと英語だけにかぎらず、ここに通ったことで何かひとつ自信を付けてもらいたいなという気持ちもあります」

キッズイングリッシュクラブ 代表の鹿住尚子さん

 そんなキッズイングリッシュクラブでは2021年10月、ネットギアのビジネス向けメッシュWi-Fiシステム「Orbi Pro WiFi 6」を教室内に導入した。実はその前に4年ほど利用してきた家庭用「Orbi(RBK50)」からの乗り換えだという。英語教室で高速かつ安定したWiFi環境が必要になった理由、なぜOrbi/Orbi Proを選択したのかなど、鹿住さんに詳しくうかがった。

乳幼児から大人まで、ファミリー的な雰囲気の英語教室

 「わたしの子どもはいま20歳と15歳なんですが、もともとはその我が子に英語を教えたい、という想いで教室を始めたんです」。鹿住さんはキッズイングリッシュクラブを立ち上げた理由をそう説明する。「我が子には良いものを学ばせたいと考え、速読英語やオンライン英会話など新しいものも取り入れてきて、現在のかたちになりました」。

 キッズイングリッシュクラブは大きく年齢別でクラス分けされている。未就園児(0~2歳)から始まり、幼稚園児(3~5歳児)、小学生クラス、中学生クラス、大人クラスというクラス分けだ。大人クラスには70歳代の生徒も通うという。

 「地元密着の英語教室としてやってきました。通ってくる生徒は稲毛海岸駅から(2駅先の)海浜幕張駅の間までくらいでしょうか。(広告の)チラシを打ったことがなくて、すべて口コミで生徒が200名を超える規模になりました」

 17年前にマンションの集会場を借りてスタートしたキッズイングリッシュクラブだが、2015年ごろ現在のビルに入居。ここでも最初は3階の教室1つからスタートしたが、現在は2階も含めて教室数は3つに増えている。「現在はわたしも含めて先生は3名。3つの教室で同時に3クラスを教えています」。

「3歳から中学卒業まで12年間、ずっと通ってくれる生徒もいます。学校の先生よりも長い付き合いになりますね」(鹿住さん)

 幼児向けにはまず「英語は楽しい」と体感してもらえるように、歌や工作、身体を使ったフォニックス(「文字」と「音」の間にあるルールを学ぶ学習法)などの遊びを行う。小学生からはテキスト学習が始まり、5年生からは中学校のテキストを使って中学授業の準備も進める。中学生になると学校の英語授業をフォローするほか、英語のニュース記事を読んだり、英語の速読法を身につけたりする。そして小学生や中学生のクラスでは、後述するiPadを使った学習も行っている。

 「全クラス合同で開く『サマーパーティー』のような季節のイベントを通じて、生徒どうしの“縦のつながり”も大事にしています。学年が上の子から下の子まで集まることで、下の子たちは『自分も将来こんなふうになりたいな』と思ったり、卒業後もボランティアでパーティを手伝いに来てくれたり。ファミリー的な雰囲気の教室だと思います」

2フロアに分かれた教室をつなぐには?――1台目の「Orbi」を導入

 キッズイングリッシュクラブの教室にWiFi環境が必要になったのは、iPadを使ったさまざまな学習も取り入れたからだ。

 たとえば小学生や中学生のクラスでは、外国人講師とのマンツーマンオンライン英会話サービス(スタディラボ「OLECO」)を利用する。また中学生クラスでは、英語(および日本語)の速読法を学ぶための専用アプリ(SRJ「Terrace」)を取り入れている。いずれもインターネット環境が必要なものだ。

 「ネットがつながらないとこれらの授業ができなくなるので、WiFi環境はすごく大事なんです。せっかく教室に来た子どもたちに『今日は授業ができません』とは言えないですから」

授業にはインターネットを使ったオンライン英会話や速読英語の学習アプリなども取り入れている

 当初はビル3階の1教室だけだったため、WiFi環境は一般的な家庭用ルーターで事足りていた。だが、クラス数が増えて2階にも新たに教室を作ることになったとき、問題が発生した。光回線のケーブルは3階に引き込まれており、そこから2階の教室へLANをつなぐ手段がなかったのだ。1986年(昭和61年)に建てられたビルのため、まだネットワーク配線を考慮した設計になっていないこともあった。

 「2階にも光回線を引きたいとビルのオーナーさんにお願いしたんですが、ビルの配管がすでにいっぱいで、新たに光ファイバーを入れる工事は無理だと断られてしまいました。教室の位置関係も3階と2階で上下ではなく斜めにずれており、LANケーブルを引っ張るというのも現実的ではありません」

 そんなとき、夫婦で買い物に出かけたコストコの店頭で偶然発見したのがネットギアのOrbiだった。Orbiならばセットになったルーターとサテライトの間を無線で接続でき、配線が通せないフロアの教室どうしでもつなぐことができそうだ。

 「Orbiを見つけたときは『まさにこれだ!』と。2階の教室でインターネットが使えないとなると3階で授業をやるしかない。Orbiのほかに方法はありませんでしたし、ネットギアさんに助けていただいたと思っています」

※注:フロア間のメッシュ無線接続は、建物の構造や建築素材、ルーター/サテライトの設置位置に大きく影響される。電波が届きにくいケースも生じるので注意いただきたい。

 ちなみに鹿住さん自身はそれまでネットギアのことを知らなかったが、製薬会社の情報システム部門に勤める夫の忠史(ただし)さんは知っていたという。忠史さんは「エンタープライズクラスのネットワーク機器を作っている会社の製品がコストコにあるなんて、斬新ですよね」と愉快そうに笑う。

接続台数が増えて不安定に……ビジネス向けの「Orbi Pro」を導入

 こうして2019年7月にOrbiを導入し、3階と2階の3教室をWiFi環境にすることができた。いずれの階も63.3㎡の広さがあり、ルーター/サテライト各1台で全体をカバーする。これで2階の教室でもインターネットを利用した授業ができるようになった。

ビル2階/3階にある3つの教室の位置関係

 教室でのインターネット活用が進み、Orbiに接続するデバイスの台数が徐々に増えると、今度は同時接続台数が課題となった。教室備え付けのiPadは10台だが、そのほかに3名の先生と事務スタッフ1名がそれぞれタブレットとPC、スマートフォンを接続する。加えて、「今は生徒がスマホを使って調べ物をするのも当たり前なので」(鹿住さん)教室に通う生徒にも私物のスマートフォン接続を許可していた。

 その結果、Orbiへの接続台数は数十台規模になっていた。こうなると、家庭用のOrbiではやや力不足であることは否めない。実際、ルーターとサテライト間の無線接続が切れたり、通信が遅くなったり、Orbiそのものがダウンすることがあったという。そこで、新しい機種に入れ替えることにした。

 「つなぐ台数が増えたことだけが問題で、製品そのものには信頼を置いていたので『2台目もネットギアがいいね』と言ってました。それで、ネットギアさんのホームページからどれにするかを選んだという感じですね。ほかのメーカーは考えませんでした」

 ちょうどその頃には、コロナ禍を受けてZoomを使ったオンライン授業もスタートしていたため、安定していて途切れないインターネット通信環境はますます大切なものになっていた。そこで忠史さんが「どうせ買うんだったら、すごそうなのを買おう」と提案して、ビジネス向けのOrbi Pro WiFi 6を導入した。

3階教室に設置されたルーターと2階教室に設置されたサテライト

 それまで利用していたOrbiはWiFi 5(11ac)モデルで、通信速度はAC3000クラスだったが、新しいOrbi ProはWi-Fi 6(11ax)であり、通信速度はAX6000クラスにまで高速化している。ルーター~サテライト館の通信帯域幅も拡大しており、接続デバイス台数が増加しても影響なく使い続けられるポイントはこうした部分にもある。

 Orbi Pro導入を機に、SSIDも授業iPad用、先生/スタッフ用、その他の3つに分けることにした。前機種のOrbiと同様に、設定や設置はシンプルで、SSIDの設定もGUIベースで簡単にできたという。また、ネットワークがダウンした際にアプリやメールに通知する設定も行っているという。「今のところOrbi Proそのものが原因でダウンしたことはありませんが、すぐに通知が届くのはやはり便利ですね」。

* * *

 鹿住さんは、少子化が進んで学習塾や教室の競争が激しくなっていく中で、差別化のためには新たな教材や教育手法を取り入れていくことが必要だと語った。もちろん、そのためには「IT」の力が欠かせず、安定したWiFi環境が必須となる。

 「次はタイピングと英語を掛け合わせたプログラムの導入も決めています。これも全員が常時接続でタイピングをするので、やはりWiFi接続が欠かせません。もちろんこれまでのような(テキストなどを中心とした)授業もありますが、生徒たちが“プラスα”で付けたい力を伸ばすには、ITの力が必要になってくるかなと思っています」

(提供:ネットギア)

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