業務を変えるkintoneユーザー事例 第140回
kintone hiveが初めて札幌に! トップバッターは新入社員によるkintoneの定着がテーマ
RPG感覚でいざ業務改善の旅に!新入社員だからこその気づきでkintone活用を深める
2022年07月11日 10時00分更新
アプリでの業務改善に否定的だった人ほど協力的に
アプリができたら、今度は使ってもらえるのだろうかという不安が出てきた。現状のやり方に慣れている先輩達が使ってくれるのか弱気になった長谷川氏で、これはゲームで言う「負け確定イベント」なのではと思ってしまうようになった。しかし、何より自分がこのアプリで業務を楽にしたいという思いを原動力に、アプリ運用に向けていろいろなチャレンジをした。
RPGの基本は仲間集めということで直属の上司にアプリのメリットを説明。上司も同じ課題感を持っていたようで、協力を得ることができた。上司から関係者に「ひとまず1ヵ月間だけアプリへ登録してみませんか」と協力を要請してもらい、新入社員が作ったアプリという不満を解消した。
修正点をリクエストされたらすぐに改善し、その際はどこを改良したのか手順書にまとめて丁寧に説明したという。このサイクルを繰り返す中で、さまざまな業務改善のアイディアが寄せられたが、面白いことに最初アプリでの業務改善に否定的だった人ほど、最後にはたくさん意見を出してくれるようになったという。
ホテルの外注工事先を簡単に確認したいとか、キャンペーンの進捗を確認したというリクエストが来たら、フォームを追加して一覧で外注先やキャンペーンの詳細を確認できるように対応した。過去の工事履歴を見たいというリクエストが来た時は、同一顧客の履歴を関連レコードで表示するようにした。
アプリの説明欄には運用日や詳細だけでなく、「要望ありましたら長谷川まで」とリクエストを喜んで受付けるといったメッセージも掲載されていた。
仕事に慣れていない新入社員や面倒くさがりだからこそ気づけることがある
kintoneアプリの活用が進むことで、様々な導入効果が得られた。タスクの処理時間は10分から5分以下に、検索時間は5分から数秒に短縮。社外からでも顧客の情報を閲覧できるようになり、格段に便利になった。さらに、自動通知でリマインドすることで、売上漏れも防止できた。
長谷川氏が面倒臭いと思ったことから始まったアプリ作成だが、「皆をもっと便利に」へと拡がっていく結果となった。その中で3つの学びが得られたそう。
一つ目が、kintoneが導入済みでも、業務改善の余地はたくさんあるということ。紙から電子化しただけで安心してはいけないのだ。付け加えると、kintoneアプリを作成したとしても、まだまだ業務改善は進めていく必要があるという。
二つ目が、新入社員だからこそ、気付ける業務の無駄があるということ。業務に慣れてしまう前に、新入社員に発言させる場を設けることも大切なのだ。
三つ目が、面倒くさがりな社員は改善点を発見する能力を持っているということ。今回の取り組みのように、業務改善に巻き込むことができれば、強力な味方になる。
現在は社内から「別の業務だけど、kintoneアプリを作ってくれないか」という依頼が来るようになったそう。長谷川氏のチャレンジが功を奏したことで、自分の業務もkintoneアプリで楽になるのではないかという考えが広まったからだ。
「今後の方針としては、誰かの面倒臭いクエストを積極的に処理しながら、私の座右の銘である人生はRPG、という言葉をモットーにさらなる業務改善を進めていけたらと思っております」と長谷川氏は締めた。
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