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鉄板&今が旬なパーツを性能検証!! 第50回

空冷CPUクーラー最強の一角のホワイトモデルが登場!

【鉄板&旬パーツ】DeepCoolの白色クーラー「AK620 WH」はCore i9-12900KFを冷やせるか?

2022年06月28日 13時00分更新

文● 藤田 忠 編集●北村/ASCII

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Core i9-12900KFの高負荷時には冷却が追いつかない

 ストレステストは、まず「CINEBENCH R23」を30分間連続実行していこう。

CINEBENCH R23実行時のCPU温度

CINEBENCH R23実行時のCPU消費電力

CINEBENCH R23実行時の動作クロック

 「CINEBENCH R23」はCPUがフルロードされるためCPU温度は処理実行開始後すぐに90度を超え、テスト後半では頻繁に100度台に達している。CPU消費電力の「CPU Package Power」も241Wに届かず、220W台で推移。Pコア動作クロックの「P-core 4 Clock」も4688MHzと、360mmラジエーターの水冷環境で冷やしている状態の4888MHzから200MHzダウンしている。

 冷却性能はPCケースフロントからのエアフローや、室温でも多少変わってくるがデュアルタワー大型CPUクーラーの「AK620 WH」でも、Core i9-12900KFの処理能力を最大限に引き出すには、冷却性能が一歩及ばずといった感じだ。

 続いては実使用シーンでの高負荷ワークロードとなる動画エンコードを試していこう。「Adobe Premiere Pro」で編集した12分30秒の8K(7680×4320ドット) MP4動画を「Adobe Media Encoder」で、フルHD、H.264(2パス)、ソフトウェアエンコーディングで書き出している。

Adobe Media Encoder実行時のCPU温度

Adobe Media Encoder実行時のCPU消費電力

Adobe Media Encoder実行時の動作クロック

 書き出し処理は6分程度になるが、今回のテスト環境では、残念ながらCPU温度は100度に達することもあった。Core i9を冷やしきるには、ヒートシンクの放熱が間に合っていない感じだ。

 最後はゲーミングを想定して「3DMark」のストレステスト「3DMark Time Spy Extreme」を実行していこう。

3DMark Time Spy Extreme実行時のCPU温度

3DMark Time Spy Extreme実行時のCPU消費電力

3DMark Time Spy Extreme実行時の動作クロック

 3DMark Time Spy Extreme実行時のCPU負荷は20%台だ。当然だが、CPU温度は最大こそ76度を記録したが、20分程度のテスト中はおおむね50度台と、まったく不安のない温度になっている。

最大の魅力はその静音性にあり!

 実際にハイエンドパーツをPCケースに組み込んだ状態で「AK620 WH」の冷却性能を試してきたが、残念ながらCore i9-12900KFを冷やせているとは言えない結果になっている。ただ、Deepcool製空冷CPUクーラーのメリットとしてあげられることが多い静音性はしっかりと確認できた。

 まずはPCケースに取り付けずに、「AK620 WH」搭載デュアルファンの騒音値をチェックした。計測はヒートシンクにファンを取り付けた状態で、排気側から30cmの位置で行なっている。ファンの回転数は風を感じられる1050rpm前後から、100rpm刻みで増やしていった。

回転数による騒音値の変化(暗騒音33.2dBA)
回転数 騒音値
1050rpm 33.5dBA
1200rpm 34.7dBA
1300rpm 35.8dBA
1420rpm 36.6dBA
1530rpm 37.1dBA
1630rpm 38.3dBA
1720rpm 39.1dBA
1820rpm 40.2dBA
1920rpm 43.2dBA

 1700rpm前後で40dBA近くになるが、PCケースに収めていない状態なのを考えると十分静かと言え、耳につく軸ブレ音や、高周波系ノイズも感じなかった。

 次に、PCケースに組み込んだ状態でテストする。PCケースを机下に置いた状態を想定し、PCケースフロントトップから50cm上の位置で計測している。

「Define 7 Compact Solid」に組み込んだ状態のファン騒音値

 静音志向の「Define 7 Compact Solid」に組み込んだ状態の騒音値は優秀で、ファンが1900rpm台の最大値で回転していた「CINEBENCH R23」、「Adobe Media Encoder」実行時も、40dBAを切る37dBA台になっている。さすがにビデオカードのGPUクーラーが備えている3連ファンが回転する「3DMark Time Spy Extreme」実行中は38.9dBAになったが、十分静かだ。

 机上に置いた場合の騒音値はPCケースのフロントファンが影響して、もう少し大きくなると思われるが、それでも40dBAに収まるだろう。

無印Core i9やCore i7の環境におすすめ

 貴重なホワイトカラーの空冷CPUクーラーというだけでなく、高い冷却性能を備えている「AK620 WH」。今回のテストで明らかになったように、Core i9-12900KFと組み合わせるには冷却性能が足りないものの、CPU Package Powerが200WのラインになるCore i9-12900やCore i7-12700Kがターゲットなら、高い静音性を発揮しながら、その性能を最大限に引き出せることだろう。

ホワイトPCケースと組み合わせて、CPUを静かに冷やせる「AK620 WH」。実売価格は、ちょっと高めの1万円前後になる

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