九州大学の研究チームは、ひきこもり者の血液中の代謝物や脂質を測定し、ひきこもりを特徴付ける血液バイオマーカーを発見した。生物学的な因子が特定されたことで、栄養療法などにつなげたい考え。
九州大学の研究チームは、ひきこもり者の血液中の代謝物や脂質を測定し、ひきこもりを特徴付ける血液バイオマーカーを発見した。生物学的な因子が特定されたことで、栄養療法などにつなげたい考え。 研究チームは、未服薬のひきこもり者42名と、健常ボランティア41名の臨床データ、血液データを比較・検証。その結果、ひきこもり者の血中では、健常者よりオルニチンと長鎖アシルカルニチンが高く、ビリルビンとアルギニンが低いことが分かった。さらに、男性のひきこもり者は、血清アルギナーゼが有意に高いことも分かった。 また、血液成分と臨床検査値を加えた情報に基づいた機械学習判別モデル(ランダムフォレストモデル)を作成し、ひきこもり者と健常者を高い精度で識別することに成功した。 研究成果は6月1日、「ダイアログス・イン・クリニカル・ニューロサイエンス(Dialogues in Clinical Neuroscience)」誌に掲載された。(笹田)