ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第664回
Zen 3+で性能/消費電力比を向上させたRyzen Pro 6000 Mobileシリーズを投入 AMD CPUロードマップ
2022年04月25日 12時00分更新
消費電力を大幅に削減
その一方で消費電力の方は、さまざまなケースで省電力の効果が大きいとされており、ビデオ会議だけなら最大45%バッテリー寿命が長くなるとしている。動画再生だけなら最大29時間の再生が可能とされるが、1つの目安にはなるものの、ビジネス用途でひたすら動画再生だけを行なうというシナリオがどの程度現実的なのかはよくわからない。
省電力の細かな話は連載655回で説明した通り
ビデオ会議だけなら最大45%バッテリー寿命が長くなる。Core i7-1260Pの方はバッテリー容量57WH、Ryzen 7 Pro 6860Zは50WHということで、これを同一バッテリー容量に正規化した数字となっている。したがって実際にはRyzen 7 Pro 6860Zは27%ほどCore i7-1260Pよりも長く利用できた、と考えられる
なお、BarceloベースのRyzen 7 Pro 5875UとTiger LakeベースのCore i7-1185G7での性能比較が下の画像だ。
Ryzen 7 Pro 5875UとCore i7-1185G7の性能比較。IPCでの比較ではいい勝負(おそらくTiger Lakeの勝ち)だと思うが、28WのTiger Lake vs 15WのBarceloという観点で見るとなかなか興味深い
要するにバリュー向けになるわけだが、ここでも競合には十分強みがあるという説明であり、またRyzen Pro 6000 Mobileには劣るとは言え、こちらも十分バッテリー寿命が長いとアピールしている。
搭載製品だが、LenovoはThinkPad Z向けに、Lenovo専用モデルであるRyzen 7 Pro 6860Zをカスタムモデルとして入手し、これをベースに製品をラインナップしている。またHPはElitebook G9をラインナップする。またモバイルワークステーションも今後多くの製品が投入予定とのことであった。
ThinkPad Zの説明はCESでの発表記事を参照してもらいたい

この連載の記事
-
第852回
PC
Google最新TPU「Ironwood」は前世代比4.7倍の性能向上かつ160Wの低消費電力で圧倒的省エネを実現 -
第851回
PC
Instinct MI400/MI500登場でAI/HPC向けGPUはどう変わる? CoWoS-L採用の詳細も判明 AMD GPUロードマップ -
第850回
デジタル
Zen 6+Zen 6c、そしてZen 7へ! EPYCは256コアへ向かう AMD CPUロードマップ -
第849回
PC
d-MatrixのAIプロセッサーCorsairはNVIDIA GB200に匹敵する性能を600Wの消費電力で実現 -
第848回
PC
消えたTofinoの残響 Intel IPU E2200がつなぐイーサネットの未来 -
第847回
PC
国産プロセッサーのPEZY-SC4sが消費電力わずか212Wで高効率99.2%を記録! 次世代省電力チップの決定版に王手 -
第846回
PC
Eコア288基の次世代Xeon「Clearwater Forest」に見る効率設計の極意 インテル CPUロードマップ -
第845回
PC
最大256MB共有キャッシュ対応で大規模処理も快適! Cuzcoが実現する高性能・拡張自在なRISC-Vプロセッサーの秘密 -
第844回
PC
耐量子暗号対応でセキュリティ強化! IBMのPower11が叶えた高信頼性と高速AI推論 -
第843回
PC
NVIDIAとインテルの協業発表によりGB10のCPUをx86に置き換えた新世代AIチップが登場する? -
第842回
PC
双方向8Tbps伝送の次世代光インターコネクト! AyarLabsのTeraPHYがもたらす革新的光通信の詳細 - この連載の一覧へ





