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Catalu JAPAN:ショールーミング型ECで地域の製造業と店舗をつなぐ
最初のCatalu JAPANは「ショールーミング(体験)型EC」を展開する。商品を置く「サービス店舗」は飲食店や美容室、ホテルなどの空きスペースを確保。来店客が商品を手に取って気に入ったり使ってもらったりする体験を通じてメーカーは商品をアピールする。気に入ったら店舗に設置したプレートのQRコードをスマートフォンで読み取り、ECモール「カタルモール」にアクセスして購入する。
地域の製造業が抱える課題は販路開拓だ。卸や小売店を通じた流通にはまとまった生産ロット数が求められ、ECモールは出店過剰でアクセスが伸びない。自社ECサイトを簡単につくれるサービスでも集客が難しい。いい製品でも流通させられない地方メーカーの集客問題を、実店舗での展示と体験を入口にしたネット販売を掛け合わせた新しいモデルのショールーミング型ECで解決する。
メーカーは「カタルスペース」に登録済みに店舗情報で内外装など雰囲気が分かる写真や年代や性別、顧客層に参照して、自社商品が最も映えターゲット層が来店しそうな店舗を狙って展示できる。現在、東京都内を中心に250店以上、提携先を合わせて600店以上の多種多様なサービス店舗が登録されている。商品を置くスペースも、小さなところから専用の棚があるところまでさまざまだ。
メーカーから月額会員費と販売時の手数料を得て、販売時手数料の一部は店舗に支払う。店舗は販売増なら収益が上がるので副収入になる。ECサイトには、製品を体験できる店舗検索の機能があるので、ECモールで気になった商品を起点に実店舗に流入させる導線もある。登録店舗を活用して自治体向けに地域産品のPRや販売イベントを展開しており、東京ガスやJTB、NTTドコモなど大企業と積極的に事業連携している。
シンクタンクで地方創生に取り組んだメンバーが中心のCatalu JAPAN。吉本氏は「ショールーミングは『b8ta(ベータ)』を皮切りに活性化している他社は自社店舗・ブランドでの展開だが、Cataluは既存人気店舗のブランドを活用するモデルのため、強い集客力を持つ。店舗のバリエーションも豊富なため、ニッチ(な商品も)も取り込みやすい。こういった仕組みを通じて地域の製造業を盛り上げていきたい」と述べた。
Webでスマートではなく1件1件を泥臭くマッチング
審査員との質疑応答で吉本氏は「泥臭くやっている」と述べた。
残間氏:メーカーと店舗のマッチングの仕掛け作りは?
吉本氏:基本はWebを通じてマッチング可能である。ただし担当による人手を介したマッチングも数多く行っている。全店舗、全メーカーと顔を合わせて打ち合わせを行っており、単純な店舗属性だけではなく、人柄や趣味嗜好も含めて理解している。例えばキャンプ好きの歯科医院がインフルエンサーでキャンプ好きがよく来院する場合はキャンプ用品を置いたり。Webでスマートにやっていると思われがちだが、実は泥臭いところも多く行っている。
八潮氏:消費者として共感した。その場で買えずあくまでECサイトに誘導させるのか?
吉本氏:一部例外はあるが、原則的にはそうなる。サービス店舗の場合はストックヤードがなく多くの在庫を保有することが困難。POSレジ登録など販売のためのオペレーションも大変である。またデータ取得も重要な要素である。どのような製品がどのような店舗でどのような方が買ったのかのデータを全部取得している。将来的にはデータを活用して、例えば人手を介さない自動マッチングも実現を目指している。店舗負担とデータ取得の2つが理由でEC販売に特化している。
遠藤氏:旗を立てるなどCataluのサービスとしての見せ方は?
吉本氏:我々のロゴとかブランドが街中で溢れて「カタルのだよね」という世界になればブランドになり集客につながるので、力を入れていきたい。