夏は夜。枕草子では「雨など降るもをかし」とも書かれていましたが、そこに部屋干しの悪臭がただよってきたら清少納言さんもブチ切れていたことでしょう。大事なお洋服は長く着るためにも正しく洗い、乾かし、保管せねばなりません。梅雨どきは衣類ケアするもをかし。
憂鬱な季節を前に、パナソニックは4月6日に衣類ケアに関するセミナーを開催。衣類に関する調査結果や豆知識、あわせて同社の全自動洗濯機、衣類乾燥除湿機、衣類スチーマーを紹介しました。
みんな嫌いな部屋干し臭
意識調査によれば、衣類で気になるのは断トツで部屋干し臭。ニオイの対策では「消臭できる洗剤・柔軟剤」や「天日干し」が上がりましたが、全体の約15%が「特に対策はしていない」と回答しました。ニオイの原因となる洗濯槽汚れについて1ヵ月に1回の洗濯槽洗浄が推奨される中、最多は「2〜3ヵ月に1回」。水洗いできない服のニオイ対策は「クリーニングに出す」が最多でした。
ズボラとしては納得の結果です。
●衣類やタオルのどんなニオイが不快だと感じるか?
1位 部屋干し臭(生乾き臭)
2位 汗臭
3位 かび臭
●ニオイが気になるシーン
1位 汗をかいたとき
2位 乾燥後(部屋干し後)
3位 部屋干し中
●不快なニオイの対策
1位 消臭できる洗剤・柔軟剤を使う
2位 天日干しにする
3位 洗濯物をすぐに洗濯する
●洗濯槽のお手入れ頻度は?
1位 2〜3ヵ月に1回
2位 1ヵ月に1回
3位 1年に1回
●梅雨時の洗濯物干しの対策は?
1位 部屋干しする
2位 扇風機・サーキュレーターを使う
3位 浴室乾燥を使う
●汗をかいても洗いにくい衣類のニオイケアは?
1位 クリーニングに出す
2位 消臭スプレーを使う
3位 天日干し
(※パナソニック「衣類のニオイとケアに関する調査」2022年3月3日〜3月4日実施。調査対象20〜69歳男女500人、洗濯・洗濯物干しを自身で週1回以上している人)
意識すべきは「ケア」と「保管」
ニオイの原因はほとんどが細菌なので、臭いということは傷みも早くなります。どうすればいいのか。家事アドバイザー・矢野きくのさんによれば日々の「衣類ケア」のポイントは「ケアする」「保管する」の2つが重要。汗をかいていなくても洗濯するとか、クローゼットに入れるときに服同士を密着させないなどの、あ〜それねやってねえわというポイントがあげられています。
●衣類ケアのポイント
・洗濯物をためこまずこまめに洗う
・洗濯機を洗濯カゴ代わりにしない
・汗をかいていなくても洗濯する
・洗濯槽の掃除をまめにする
・洗剤・柔軟剤は規定量を守る
・お風呂の残り湯を「洗い」に使わない
・脱水をかけたらすぐに干す
・速乾アイテムを有効活用する(速乾ハンガーなど)
●保管のポイント
[クローゼットの湿度管理方法]
・扉を開けて扇風機で中の湿気を追い出す
・扉を開けてエアコンの除湿を運転する
・除湿機をかける
・外出時や就寝時は扉を開けておく
[衣類の保管方法]
・衣類同士を密着させない
・毎日洗わない衣類や洗いにくい衣類、効果な服は特に他の服との間隔をあける(クローゼットの中でゾーン分けするといい)
・毎日洗わない衣類やにおいがついた衣類は、衣類スチーマーをかけるか、消臭剤を使ってニオイケアする。衣類スチーマーはシワ伸ばしもできるため、型くずれを防ぐ効果もある。
ということで、パナソニックでは矢野さんのアドバイスにこたえるような新機能を備えた家電を展開しています。
次亜塩素酸で除菌できる洗濯機
まずはタテ型 全自動洗濯機です。
タテ型 全自動洗濯機(FA)
洗濯容量12kg〜8kg
発売日 2022年6月下旬予定
想定実売価格 15万5000円前後〜23万5000円前後
【特徴】
・「次亜除菌コース」新搭載
・「スマホで洗濯」新対応(11〜12kgのみ)
・液体洗剤・柔軟剤自動投入機能を拡充
次亜塩素酸を生じさせる専用の錠剤で洗濯物のニオイの原因菌を除去する「次亜除菌コース」を新搭載しました。漂白剤と違い、つけおきの手間もなく、色柄ものにも使えて、コットンシャツやタオルのほか化繊のスポーツウェアなどにも対応。幅広いニオイ対策ができます。
次亜塩素酸を使うという意味ではほ乳びんの除菌に使う「ミルトン」と同じ原理。パナソニック独自開発の錠剤だけでなく、ライオンケミカルの浴室用洗浄剤「バスリフレ ふろ水清浄剤」も使えるそうです。
使い方は手動洗剤ケースの次亜錠剤投入口に錠剤を入れて「次亜除菌コース」で洗うだけ。洗いが終わったあと、1回目のすすぎで錠剤をいれます。運転時間は約63分。除菌効果によって、部屋干し臭だけでなく、ニオイ戻りもすっきりということでした。
そのほかに、大容量モデルはスマホ対応し、コース検索などができるようになりました。おしゃれ着を洗うときなどはコース選びが複雑なので便利です。逆に小容量モデルは、液体洗剤・柔軟剤の自動投入機能に新対応。パナソニックの自動投入機能は、タンク容量が大きく、残量表示がわかりやすく、パーツが少なくお手入れがしやすいなどの特徴があります。
余談ですが、他社には自動投入口を取り外せず、中身をスポイトで吸い取るしかないという洗濯機もありました。あれは不便でした。
クローゼットにしまえる衣類乾燥除湿機
続いてはハイブリッド方式の衣類乾燥除湿機です。
ハイブリッド 衣類乾燥除湿機
F-YHVX200 11万円前後
F-YHVX120 7万2000円前後
F-YHVX90 6万1000円前後
発売日 2022年5月11日
(カッコ内は想定実売価格)
衣類乾燥除湿機に使われる「コンプレッサー方式」と「デシカント方式」という2つの除湿方式を、温度や湿度に合わせて自動的に切り替えるのがハイブリッド方式です。コンプレッサー方式は空気中の水分を結露させて除湿するエアコンなどに使われる方式で、周りの空気環境に影響されやすいので冬場に弱いという弱点があります。一方のデシカント方式は、デシカント素子が吸着した水分をヒーターで蒸発させ、熱交換器で結露させて除湿するもので、消費電力が多いという弱点があります。パナソニックの特徴はコンプレッサーを先に使うことで、熱をデシカントに移動させて効率的に除湿するところです。
「200」「120」「90」の違いは乾燥できる容量と本体サイズ。
・200:洗濯物の量 4.5人分、大家族向け
・120:洗濯物の量 4人分、ファミリー向け
・90:洗濯物の量 2.5人分、省スペース仕様
200と120は、ルーバーを左右独立して動かすことで奥の洗濯物まで風を届けられる「ツインルーバー」を搭載。送風範囲が幅約165cmと広く、洗濯物の端まで風が届くのも特徴です。余談ですがわが家ではシングルルーバー時代の製品を使用中。ツインルーバーのほうが早く乾きそうでうらやましいですね。
一方、小ささを追求したデシカント方式の新製品もあります。
デシカント 衣類乾燥除湿機
F-YZVXJ60
発売日 2022年5月11日
想定実売価格 4万4000円前後
【特徴】
・高さ約33.5cmの小ささ
・電源コードすっきり収納
こちらは図体がデカいハイブリッド方式と違って物干しの下にも置ける小ささ。手狭な賃貸に住んでいる人も使いやすいサイズです。使わないときには奥行き45cmのクローゼットにおさまり、コードも内側にしまえるようになっています。これまでも本体の裏側にコードを引っかけることはできましたが、コードを収納できるようにしたことで「箱感」が増しています。クローゼットを模した場所におさまっている様子を見ると本当に小さくて驚かされました。
おしゃれ着のケアにも使える衣類スチーマー
最後は衣類スチーマー。発売済みの製品です。
衣類スチーマー NI-FS780
発売日 2022年3月1日
実売価格 1万5400円前後
【特徴】
・360度パワフルスチーム
・大容量約115mlタンク
・約19秒で立ち上がる
ハンガーにひっかけたままシワを伸ばせるアイロンのような衣類スチーマー。「実は高温スチームによる除菌・脱臭にも使える」ということで衣類ケアの文脈でも紹介されました。新製品はタンク容量を約115mlに増やしながらも、重量を690グラムにおさめて、ハイパワーと軽さを両立させたモデルです。パナソニック独自技術が「360度パワフルスチーム」。一般的に衣類スチーマーは下方向に傾けるとスチームが出にくくなることがありますが、パナソニックでは水タンクに振り子を入れることで傾けてもしっかりスチームが出る構造になっています。
実際に使ってみるとアイロンと同じような感覚でシワをすいすい伸ばせるので気持ちがいいです。個人的にはたたみじわがついていたニットにさっとスチー厶をかけるだけでキレイになることに感激しました。しかも高温除菌もできるので久しぶりに袖を通したときのカビくささもなくなりそうです。メルカリに服を出すときのために買っておいてもいいなと思いました。
パナソニックが教える部屋干し対策、要点は「洗濯するときに除菌する」「部屋干しするときに早く乾かす」「高温スチームで除菌する」ということでした。パナソニック的にはうちの新製品を買うのが早いよということだと思いますが、いまからでも実践できることはありそうです。好きな服をきちんとお手入れして長く着ているほうがかっこいいですしね。やっていきましょう。
書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ。5歳児と1歳児の保護者です。Facebookでおたより募集中。
人気の記事:
「谷川俊太郎さん オタクな素顔」「爆売れ高級トースターで“アップルの呪縛”解けた」「常識破りの成功 映画館に革命を」「小さな胸、折れない心 feastハヤカワ五味」
アスキーキッズメルマガ 毎週土曜に配信中
アスキーキッズは毎週土曜、一週間ぶんの記事をまとめて読めるメールマガジンを配信中。人気連載「ほぼほぼ育児」をはじめ、ニュース、イベント、プログラミング教育入門、みんなの子育て体験談など、子育ての参考になる情報満載です。ご登録はこちらから。