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このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第344回

Galaxy S22 UltraとGalaxy S22の進化点、ペン対応と夜景撮影をテスト

2022年04月07日 10時00分更新

文● 山根康宏 編集●ASCII

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Galaxy S22 Ultra(手前)とGalaxy S22(奥)

 「Galaxy S22 Ultra」と「Galaxy S22」が日本でも発売される。昨年発売の「Galaxy S21 Ultra 5G」「Galaxy S21 5G」の正当進化モデルであり、チップセットはSnapdragon 8 Gen 1と最新のものを搭載している。この2機種の大きな進化はカメラの夜景撮影性能の向上であり、静止画・動画ともより明るく鮮明な撮影ができるという。またGalaxy S22 Ultraにはシリーズ初となるSペンが内蔵された。この2点を中心に2つのモデルを見ていこう。

 なおGalaxy S22シリーズには「Galaxy S22+」もラインナップされ海外では販売されている。日本では昨年「Galaxy S21+ 5G」が発売されたが、今回はこのGalaxy S22+の投入は見送られた。追っての登場に期待したいものだ。

大画面+Sペン内蔵のGalaxy S22 Ultra

 Galaxy S22 Ultraは6.8型(3088×1440ドット)ディスプレーを搭載。リフレッシュレートは最大120Hzで、表示コンテンツに対して1Hzからの自動可変にも対応。バッテリーは5000mAhで45Wの急速充電に対応した。IP68の防水防塵にも対応。なおカメラスペックは後述する。

Galaxy S22 Ultra

 前モデルのGalaxy S21 Ultra 5Gと比較すると、Galaxy S22 Ultraは本体形状が角ばっており、どちらかと言えばGalaxy Note 20 Ultra 5Gに類似している。Galaxy NoteシリーズのSペンを本体に内蔵したことから、Galaxy S22 UltraはGalaxy Note 20 Ultra 5Gの後継機でもあるわけだ。

Galaxy S22 Ultra(左)とGalaxy S22(右)

 2機種の底面を比較すると、Galaxy S22 Ultraはフラットな形状で左側にSペンを収納している。この形状もGalaxy Note20 Ultra 5Gと同等だ。Galaxy S21 Ultra 5Gは底面が丸みのある形状となっている。

Galaxy S22 Ultra(左)とGalaxy S22(右)

 Galaxy S22 Ultraの特徴の1つは本体にスタイラス「Sペン」を内蔵したこと。Galaxy S21 Ultra 5GもSペンに対応したが本体には収納できず、別売だったため誰もがすぐにSペンを使うことはできなかった。Sペンの持ち運びも面倒であり、さらには手書きにしか利用できなかった。Galaxy S22 UltraのSペンは本体に付属(内蔵)で購入後すぐに使えるだけではなく、Bluetoothを内蔵しているためカメラのリモコンなど本体を操作するワイヤレスコントローラーにもなる。

Galaxy S22 Ultraは本体に細身のSペンを収納(左)、Galaxy S21 Ultra 5Gは非内蔵タイプのSペンが別売

 Sペンの最大の利点は手書きなどが自在にできることだ。Galaxy S22 UltraからSペンを引き出せば、すぐにペンを使うショートカットメニューがポップアップで表示される。これをエアコマンドという。なおペンを抜いた状態でも、ディスプレーにSペンを近づけるとエアコマンドを呼び出すことができる。

 エアコマンドはすぐに手書きでメモが書ける「ノートを作成(Galaxy Notesを起動)」や、ディスプレーの表示をキャプチャーしてそこに手書きできる「キャプチャ手書き」、単語の上にペンを置くことで翻訳できる「翻訳」などの機能が使えるほか、よく使うアプリを登録しておいてすぐに起動もできる。

Sペンを抜くと表示されるエアコマンド

Sペンを近づけることでもエアコマンドを呼び出せる(画面に表示された鉛筆アイコンをタップする)

 Sペンの書き心地は良好だ。遅延は2.8ミリ秒で、従来のSペンの9ミリ秒より低減された。なお技術はワコムのものを使っている。手書きは標準プリインストールのGalaxy Notesだけではなく、他の手書き対応アプリでももちろん使うことができる。また付属のSペンのほか、Galaxy S21 Ultra用のSペンや、Galaxy Z Fold3 5Gにも対応したSペンProも利用できる。

ワコムの技術を使ったSペン。書き心地は良い

付属以外のSペンも利用できる

 Sペンのメリットは文字の手書き対応だけではない。Galaxy S22シリーズは撮影した写真から不要な部分を削除する「オブジェクト消去」に対応しているが、細かい部分の指定は指先では難しい。Sペンを使えばぎりぎりのエリアを選ぶこともできるのだ。他にも撮影したビデオの不要な部分をカットするときなど、Sペンを使えば丁寧な編集操作ができる。カメラ性能の高いGalaxy S22 Ultraだけに、Sペンは編集作業用としても有用なのだ。

オブジェクト消去するとき、Sペンなら細かい部分の指定ができる

オブジェクト消去前

人を消してみた

Galaxy S22 Ultraの
進化した夜景撮影性能をチェック

 Galaxy S22 Ultraのカメラは1億800万画素の広角、1200万画素の超広角、1000万画素の光学3倍望遠、1000万画素の光学10倍望遠を搭載している。望遠が2つあるのが特徴で、近中距離だけではなく遠距離も専用カメラで撮影できるのだ。前モデルGalaxy S21 Ultra 5Gと比べるとスペック上はほとんど変わりが見られないが、Galaxy S22 Ultraでは特に夜間時の静止画や動画撮影性能が大幅に向上している。

Galaxy S22 Ultraの4つのカメラ

 以下、夜景をナイトモードで撮影してみた。0.6倍の超広角でも夜景はかなり綺麗に写る。夜景をダイナミックに撮影したいとき、超広角に切り替えたから暗くなってしまう、ということもないのだ。

0.6倍で夜景を撮影(4000×3000ドット)

 等倍は標準画質で撮影。標準では1200万画素相当となる。こちらは当然ながら問題ないだろう。夜景撮影が楽しくなりそうだ。

等倍で夜景撮影(4000×3000ドット)

 次に3倍で撮影してみた。他社では望遠は2倍までの製品が多いが、Galaxy S22 Ultraなら3倍も専用カメラで撮影できる。デジタルではないため夜景にも関わらず望遠撮影でも水面まで美しく写っている。

3倍で夜景撮影(4000×3000ドット)

 そして10倍。これも光学で10倍のため、デジタルと比べれば解像度ははるかに高い。さすがに夜間の暗い場所を撮影しているので、「網」や後ろの観覧車の光の表現は若干甘いかもしれないが、SNSにアップする程度なら十分だろう。

10倍で夜景撮影(4000×3000ドット)

 このように超広角(0.6倍)、広角(等倍)、望遠(3倍)、望遠(10倍)と4つのカメラを搭載していることから、夜景の撮影も画角を気軽に変えていい感じの写真を撮影できるわけだ。次の作例も横浜の夜景だが、「海辺のイメージ」「水面に写る夜の光」「観覧車のライト」といった具合に、画角を変えるだけで写真のイメージも大きく変わる。

0.6倍撮影(4000×3000ドット)

等倍撮影(4000×3000ドット)

3倍撮影(4000×3000ドット)

 次に夜の桜並木を撮影してみた。目視では空は真っ暗だが、Galaxy S22 Ultraで撮影するとこの日の曇り空をうまく表現してくれた。

等倍で夜の桜並木を撮影。桜も美しいが空の雲も表現されている(4000×3000ドット)

 桜の写真を撮影してみた。照明でライトアップされているものの実際はそこまで明るくはない。特にボケの設定はしていないが(ポートレートではなく標準撮影)、いい感じに手前の桜にピントが合っている

等倍で桜を撮影(4000×3000ドット)

 頭の上にある桜の花びらまで遠いので3倍で撮影してみたが、これもまあまあうまく写っているだろう。

3倍で桜を撮影(4000×3000ドット)

 さらに10倍で撮ってみた。おしべの部分もうまく写っている。夜間でも比較的近い距離のものを拡大して撮りたいときに、10倍撮影は適していそうだ。

10倍で桜を撮影(4000×3000ドット)

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