最高峰性能の小型マシン「Mac Studio」に新iPhone SE/iPad Air登場! 2022年春のApple Event 第32回
「高品質で美しい」だけではない、ディスプレイというジャンルをを超えた価値
アップル「Studio Display」ですべてのMacが生まれ変わる【本田雅一】
2022年03月18日 12時00分更新
「アップルの最新技術」をすべてのMacに
T2チップをMacに内蔵するようになってから、アップルは少しずつiPhoneの開発で培ったノウハウや技術をMacにも盛り込むようになった。もちろん、より親和性が高いM1ファミリー以降になるとその動きはさらに顕著になっている。それはT2やM1に内蔵されている、iPhoneで使われている信号処理回路を使って、さまざまな機能を実現しているからだ。
すでにご存知の方も多いだろうが、いくつか例を挙げていこう。
27インチiMacはT2の信号処理回路を使い、内蔵するFaceTime HDカメラ(1080p)の画質を大幅に向上させ、3アレイマイクロフォンによる高品位かつビームフォーミング機能を持つマイクロフォンや高音質な内蔵スピーカーを実現した。またTrue Toneにも対応し、周囲の照明環境に応じて的確な色温度へと画面を自動調整してくれる。
iPhoneの通話品質やスピーカー音質、内蔵カメラ、ディスプレイ向けの信号処理技術を応用したものだ。それらは独自の処理回路との組み合わせで実現されているため、アップルのプロセッサが何らかの形で内蔵されている必要がある。
一方でアップル製半導体に内蔵される信号処理回路がアップデートされれば、その品質や機能も向上していく。 同じiMacでも24インチのM1搭載iMacは、T2(世代的にはA10 Fusion同等と言われている)よりもずっと進んており(A14 Bionicと信号処理回路の世代は同じ)、結果的に空間オーディオの再現性、カメラ画質などの面でより進んだ製品となった。
延々とiMacの話をしているのは、T2搭載でアップルがiPhoneで培った技術やノウハウをMacに活かし始めて以来、デスクトップMacのメインストリームモデルはディスプレイとコンピュータ本体の一体型でなければ成立しなくなっていたということだ。
かつてiMac Proというプロフェッショナル向けiMacが存在したのも、同様の理由だろう。ミニマルなMac mini、特別な用途に使うMac Proは存在していたものの、iMacがカバーしていた領域は安価なエントリークラスから、10コアのIntel Core i9搭載外部GPUモデルまで実に幅広かった。
やっとStudio Displayの話になるが、この製品が登場したことでディスプレイを別モジュールで接続した場合でも、アップルが体験レベルや品質を高めるために開発した技術を享受できるようになる。
この連載の記事
-
第41回
Apple
事実上現行最上位のMac! 「Mac Studio Ultra」の実力はMaxの2倍!? -
第40回
iPhone
iOS 15.5配信開始 Podcastでの機能追加やバグ修正 -
第39回
Apple
「Mac Studio MAX」アップルのデスクトップ製品に新たな時代の始まりを告げる -
第38回
Apple
M1搭載iPad Air(第5世代)は「Pro」に肉薄したAir -
第37回
Apple
「Apple Studio Display」4K動画・空間オーディオ・ハイレゾを遊び尽くせ! -
第36回
Apple
MacからiPadを操作する! 新機能「ユニバーサルコントロール」を深掘り -
第35回
iPhone
「iPhone SE(第3世代)」は買いか?見送りか? 判断のポイントを探る -
第34回
iPhone
iOS 15.4.1配信開始 iOS 15.4でバッテリーの減りが早い問題などに対応 -
第33回
Apple
その手があったかと驚かされたアップル「Max×2=Ultra」【柴田文彦】 -
第31回
Apple
圧倒的高性能で静かなMac StudioとStudio Displayを試す【西田 宗千佳】 - この連載の一覧へ