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最高峰性能の小型マシン「Mac Studio」に新iPhone SE/iPad Air登場! 2022年春のApple Event 第32回

「高品質で美しい」だけではない、ディスプレイというジャンルをを超えた価値

アップル「Studio Display」ですべてのMacが生まれ変わる【本田雅一】

2022年03月18日 12時00分更新

文● 本田雅一 編集●飯島恵里子/ASCII

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ダークルーム以外での良好な表示パフォーマンス

 ディスプレイの評価であるにも関わらず、ここまで表示品質に関してほとんど表現がないことに気づいたかもしれないが、表示品質が低いというわけではない。

 27インチiMacの表示品質を知っているならば、その画質を思い起こせば、本機の画質に関しては「ほぼそのまま」だと考えていい。そもそもの話で言えば、iMacの内蔵5Kディスプレイに匹敵する単体ディスプレイは(パネルの供給元である)LG製のものしかなく価格も高い。

 前述したTrue Tone、リファレンスモードなども合わせ、iPhone、iPad、iMacなどで一貫した品質、きちんと調整されたRGBのトーンカーブなど、アップル製ディスプレイの品質はそのまま引き継がれている。

Studio Displayには、27インチiMacの内蔵ディスプレイと比べ「顎」と呼ばれる画面下の部分がなくなった

 すでに販売終了となっている27インチiMacの内蔵ディスプレイと比べると、「顎」と呼ばれる画面下の部分がなくなったことでバックライトの構造が変化。しかし見た目上のユニフォミティ(明るさの均一性)に変化はない。フルラミネーションでカバーガラスと一体化された構造も同じで、表面の低反射コーティングは反射率1.8%(一般的には3.6%程度)と低くグロス仕上げでも反射が気になりにくいように加工されている。

Nano-textureガラスの27インチiMac(2020年モデル)に照明を当てた場合(左)と同じ光量の照明を当てたRetinaディスプレーのMacBook Pro。映り込みの違いは一目瞭然

 オプション設定のNano-textureガラスは、コントラスト低減を極小に抑えながらも反射像が見えることを防ぐ細かな凹凸加工がされた特殊なもの。コーティングではないため剥がれることがなく、見え味も素晴らしいため個人的にはおすすめのオプションだ。

 総じてオフィスや自宅の書斎などで使うディスプレイとしては最高品質。ローカルディミングなど、暗部階調の表現力を高める機能は内包していないため、ダークルームでの映像調整などに向かないが、一般的な明るさの部屋における動画、写真を含めた表示品質は素晴らしいものだった。

 とはいえ、繰り返しになるが、27インチiMacでも提供されていたものである。あのディスプレイが、内蔵カメラ、マイク、スピーカーをアップグレードした上で、単体で手に入るのがStudio Displayだ。

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