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NTT西らが農業のデジタル化で共同研究、環境再生を推進

2022年02月24日 05時58分更新

文● MIT Technology Review Japan

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NTT西日本や理化学研究所など8組織で構成する研究チームは、土壌を修復・改善しながら自然環境を回復する「環境再生型農業」の実現に向けて、農業のデジタルツインに関する共同研究を開始する。農業生態系の各層を科学的に解析し、数値化されたデジタルデータを基に各階層間の相互作用を解明することで、自然環境に配慮した農業の実現を目指す。

NTT西日本や理化学研究所など8組織で構成する研究チームは、土壌を修復・改善しながら自然環境を回復する「環境再生型農業」の実現に向けて、農業のデジタルツインに関する共同研究を開始する。農業生態系の各層を科学的に解析し、数値化されたデジタルデータを基に各階層間の相互作用を解明することで、自然環境に配慮した農業の実現を目指す。 研究では、果樹園地の土壌及び微生物叢と作物が対となった解析データを取りまとめて統合的に解析し、果樹の収量・品質に影響を及ぼす主要因子を明らかにする。さらに、多様な栽培方法の農場から得た土壌及び微生物叢と作物のデジタルデータを格納した「土壌データベース」や、「土壌AI(人工知能)エンジン」による精密診断手法を開発する。研究対象は温州ミカンで、日本全国の有機栽培、特別栽培、慣行栽培の農場から土壌と作物の両方を収集する。 化学肥料・化学農薬を利用する現在の農業システムは地球規模での環境汚染を招いている。だが、化学肥料や化学農薬の利用を控えた環境再生型農業は、労力がかかるうえに、収量や品質が不安定であるため、従来の慣行栽培からの切り替えが進んでいない。今回の研究により、データに基づく環境再生型の持続可能な農業の実現を目指す。

(中條)

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