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T教授の「戦略的衝動買い」 第671回

E Ink採用Androidタブはモノクロの「Nova Air」かカラーの「Nova3」か悩んだら両方衝動買い

2022年02月17日 12時00分更新

文● T教授 撮影●T教授 編集●ASCII

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Nova3 Colorはかなりオフ気味のカラーだが、雑誌系、コミック系などのアプリによっては単なるモノクロ階調表示より趣がある

どちらか1台を選択するのは悩みが多い

 BOOX Nova AirとNova3 Colorは、極めて似通ったスペックでモノクロかカラーの違いだけ。両方を使っている筆者でもどちらかひとつに……と言われるとなかなか選択、推奨が難しい2台だ。まずは実際に同じコンテンツを表示して比較してみよう。

 前述したように1990年中期や末期のモバイルPC事情をご存じの方なら、「BOOX Nova3 Colorのカラーイメージは登場した頃のDSTN液晶みたいな雰囲気だ……」で通じるのだが、その感覚をご存じなければなかなか言葉で表現するのは難しい。

 無理に表現するとすれば、「鮮明なカラーではなくオフ気味なカラー」というまどろっこしい表現になるが、カラーが一般的な昨今の雑誌やコミックを見る限り、モノクロの多階調より人の感じるダイナミックレンジは明らかに大きく、オフ気味のカラーでもカラー表示であるの価値は高いだろう。

 実は今回、興味本位から今回、モノクロのBOOX Nova AirとNova3 Colorの両方のスクショを撮ってみたところ、極めて興味深いことが分かった。BOOX Nova Airは想定通り普通の結果だったが、Nova3 Colorの方はカラー表示の場合にできる限りナチュラルに見えるように、かなり強烈な色作りによる最適化がされているようだ。

Nova AirとNova3 Colorではスクショのイメージが大きく違う。Nova3 Colorは画面カラーのオフ気味なところを特定の色を強調することでカバーしているようだ

 その結果、スクショを目的として使うことが必要なら、BOOX Nova3 Colorはなかなかハードな選択だ。しかし、ごく一般的なパワポ系のプレゼンデータの表示や修正、ワードやエクセルなどビジネスアプリで出力されたPDF図版などの校正などなら、BOOX Nova3 Colorはなかなか使い勝手が良く便利だ。BOOXシリーズは、充電不要のワコム互換の各社のスタイラスが使えるのもうれしい。

オフィス系のアプリなどの校正や追記などをするには、アクセント的にカラーペンやマーカーが使えることが大きなアドバンテージになる

 いずれにせよ今回ご紹介した2台の手書き電子ペーパーモデルから、どちらか1台を選択するのは悩み多い。しかし、世界標準のAndroid搭載やクラウドストレージとの親和性、レイヤー対応によるイラスト、ドラフト図版作成の多様性、スマホやPCとのタイトな連携性のいずれをとっても、国内メーカーの手書き電子ペーパーとは格差は大きい。

そろそろ買い頃のAndroidのE Inkデバイス。Nova AirかNova3 Colorか……、悩んだら両方手に入れるか……

 今、読者諸兄が電子ペーパーデバイスに強い興味があるなら、衝動買いの鉄則である「どちらか悩んだら両方買え!」に従うもよし、まずBOOX Nova Airを速攻入手して、まだテクノロジーの伸びしろのありそうなカラーモデルを先送りにしてもう少し待つのも良いだろう。常にガジェットとの出会いと選択は興味の尽きない楽しく危険なゲームだ。

 
T教授

今回の衝動買い

・アイテム:BOOX Nova Air
・価格:4万3800円

・アイテム:BOOX Nova3 Color
・価格:4万9800円

・購入:ヨドバシ.com

T教授

 日本IBM社でThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

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