クルマ好き女子の矢田部明子です。今回は、EVトラック「FUSO eCanter」についてレポートしていきたいと思います。実は私、幼少期は石灰石やセメントの原料が採れる炭鉱の街に住んでいました。大きくて重い石灰石をグイグイ引っ張っていく、その勇ましい働く姿が大好きで、石灰工場の前に張り込んでトラックの運転手さんに手をふったものです(今考えると迷惑)。いつか憧れの車であるトラックを取材したい! と思っていたのですが、念願叶ってやっと記事化することができました。
ただ今回紹介するのは、私が幼少期に見ていたトラックとは少し毛色の違う「EVトラック」です。ディーゼルエンジンのトラックとはどう違うのか? をお伝えできればと思います。
「FUSO eCanter」はこんなクルマ
「FUSO eCanter」は三菱ふそうから販売されている車両総重量7.5トントラックで、国内初の量産EVトラックとなっています。日本のみに留まらず、ヨーロッパ圏やオーストラリアなど、世界中で実際に荷物を運んで活躍しているのです。ちなみに日本では、IKEAやセブンイレブンが家具や食料品を運ぶのに使っているのだとか。ディーゼルエンジンではなくEVなので、CO2や汚染物質を排出しないゼロ・エミッション輸送&騒音問題にも一躍買っている働く車です。
三菱ふそう「eCanter」の主なスペック | |
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サイズ | 全長5940×全幅1995×全高1625mm |
ホイールベース | 3400mm |
車重 | 7500kg |
最高出力 | 135kW(180PS相当) |
最大トルク | 390N・m |
バッテリー | 370V・13.5kWh×6 |
航続距離 | 約100km |
eCanterの良いところ その1
とにかく音が静か!
トラックの「ブロロローン」「プシュー」という音を想像していると、良い意味で期待を裏切ってくれるのがeCanterでした。エンジンをかけた時も「ピー」という電子音のみで、「あれ? これでエンジンはかかったということで良いんですよね?」と聞いてしまうほど。前の日に、ハイブリッド車の試乗をしていたのですが、その車よりも車内はかなり静かでした。 外からはどうなのかということで、一般道を走るトラックの走行音もチェック。「キューン」という蚊の鳴くような電子音はするものの、ディーゼルトラックよりも格段に静かですし、後ろを走っていたミニバンのエンジン音の方がうるさかったほどです。
EV車独特の静かさは、深夜にコンビニへ食料品を運送する時に「とても助かっている」という声が多く届いているそうです。というのも、閑静な住宅地にあるコンビニは、運送トラックの騒音が問題になっているからです。eCanterの場合は、こんなに静かならクレームはなさそうです。
eCanterの良いところ その2
走行性能&乗り心地
私がトラックの免許を持っていないため(準中型自動車免許以上が必要)、助手席に乗って走りを体感&運転してくださった三菱ふそうでeCanterの商品計画を担当されているマネージャーの小倉重敬さんにインタビューしつつ、走行性能をお伝えしていきます。
まず驚くべきは、アイポイントの高さです! 2~3台前、いや、前を走っているのが軽自動車だった場合、視力の限り遠くまで見えます(笑)。逆に、真下などが見えずらいなと感じました。乗り心地としては、ガタガタした揺れ&突き上げ感は感じられず、とても快適でした。路面の凹凸を越えても、ストンと衝撃を吸収していく感じです。トラックの運転手さんは1日中運転するため、ディーゼルエンジンのトラックだとガタガタという振動でお尻がムズかゆくなる人もいるのだそうです。eCanterはそのトラック独特の振動がないため、疲れない&乗りやすいという声を多くもらっているとのことでした。
アクセルを踏むと、直ぐに発進&加速してくれるので高速道路もストレスなく運転できるそうです。ボディーが長いので、右左折や駐車の時は大変とのこと。
走行性能ですが、乗り心地は◎! 私が幼少期に見ていた、ガタガタとボディーを軋ませながら、大きなエンジン音を立てて走っていく面影はまったくありませんでした。EVトラックってすごい!
eCanterの良いところ その3
居住性&使い勝手
ピラーを前に出すことで開放感UP&軽トラックナンバーワンの室内幅で車内は広々です。また、シートが厚く座りやすいので長時間座っていてもお尻が痛くなりません。
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