実際にDHCPサーバーの動作チェックをする
これでネットワーク側からDHCPサーバーに接続が可能になる。ただし、1つのネットワークに複数のDHCPサーバーが起動しないように注意する。Open DHCP Serverのサービスを起動するまえに既存のDHCPサーバーを停止させておく。稼働中のWindows 10ならば、「設定アプリ」→「ネットワークとインターネット」→「状態」→「ハードウェアと接続のプロパティを表示する」で、DHCPサーバーや現在のIPアドレスなどをまとめて表示できる(IPconfig.exe /allとほぼ同じ表示)。
最後に、コントロールパネルの「管理ツール」から「サービス」を起動し、「Open DHCP Server」を探して、右クリックから「開始」を選択する。これでDHCPサーバーが起動する。筆者は、仮想マシン同士で仮想スイッチが「内部ネットワーク」になっているものを利用したが、物理マシンで試すときには、他のDHCPサーバーを止めるか、外す必要がある。あるいは、DHCPサーバーとクライアントマシンだけのネットワークを作る方法もある。ギガビットイーサーネットだと、ケーブル信号の自動判定機能があるため、2台のPCをイーサーネットケーブルで直結することで2台だけのネットワークを作ることが可能だ。
クライアントとなる他のマシンでIPアドレスを再取得させるには、管理者権限で「IPCOnfig.exe /release」「IPConfig.exe /renew」を実行するという方法がある。ネットワークアダプターのトラブルシューティングを使う方法もあるが、他の問題(たとえばインターネット接続)に引っかかって先に進まないことがあり、あまり実用的ではない。そういう意味では、Windowsを再起動してみるというのが一番簡単な方法だ。
クライアント版のWindowsでDHCPを動かせるようにしておくと、外出先などで、急遽ネットワークを組まねばならないときなどに役立つ。Windowsには、インターネット接続共有という機能があり、その一部としてほとんど制御できないDHCPサーバーが入っていた。接続が不安定で海外出張先のホテルでかなり苦労した思い出がある。TCP/IPのネットワークは、IPアドレスの割り振りができれば、比較的簡単に動作させられる。つまり、DHCPサーバーの設定が最大の山場なのである。

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