今日、ドコモから発売された「らくらくスマートフォン F-52B」(以下らくスマ)を使ってみました。2020年9月に発売された「らくらくスマートフォン F-42A」の後継モデルで、スマホ初心者やシニア層をターゲットとするユニバーサルデザインを継承。らくスマとして初めて5Gに対応し、指紋センサーが追加されたり、カメラがデュアルレンズになったりと、機能は大幅に強化されています。発売に先駆けて、FCNTから端末をお借りし、1週間ほど使ってみました。
画面は大きくなったが
持ちやすいサイズ感はそのまま
新しいらくスマは、前モデル(約4.7型)よりも大きい約5.0型のディスプレーを搭載。されど、本体サイズは前モデルと同等で、片手でもラクに操作できるサイズ感に抑えられています。前モデルは、ディスプレーの下にホームボタンを搭載していましたが、新モデルではタッチ式の指紋センサーを搭載し、それをホームボタンとして使うこともできます。
本体の左側面に音量キーと電源キーを搭載。右側にはSIMスロットとカメラキーを備えています。カメラキーは長押しでカメラを起動でき、シャッターとしても使えます。
背面パネルは光沢仕上げで、ツルツルとした手触り。指紋が付着しても、さっと拭き取れます。汚れたら泡タイプのハンドソープで丸洗いができ、アルコール除菌もできるので、ケースに入れずに裸のまま使うのもアリでしょう。落下防止用のストラップを付けられるホールも備えていますので、落としてしまうのが心配な人は利用することをオススメします。
スマホ初心者にうれしい「らくらくタッチ」は
オフにもできる
初期設定は、よく使う機能が大きく表示され、ワンタッチダイヤルを設定できる「標準モード」が設定されています。らくスマは、画面を軽く押し込むとカチッという手応えが得られる独自の「らくらくタッチ」を採用しています。スマホのタッチ操作に慣れていない人には、操作ミスを防げる便利な機能でしょう。この操作が合わないという場合は、設定でオフにすることもできます。また、ホーム画面は一般的なスマホに近い「スマホかんたんホーム」に切り替えることもできます。
らくスマは、主にシニア層に向けた設計になっており、ハードウェアの基本スペックは抑えめです。と言っても、プロセッサーはSnapdragon 480で、メモリーは4GB。幅広いユーザー向けの「arrows We」と同じスペックを備えていますので、一般的なスマホと同じようにサクサクと操作できます。
バッテリー容量は3400mAh。前モデル(約2110mAh)から約60%も増えています。どちらかと言えば、ヘビーユーザー寄りの筆者でも、充電は2~3日に1回で足りました。
デュアルレンズカメラは
カメラアプリの使いやすさも魅力
背面カメラはメイン(約1310万画素)+マクロ(約190万画素)。らくスマとして初めてデュアルレンズカメラを搭載しています。AIが被写体を認識して、自動で最適な設定が行なわれる機能も搭載。さまざまなシチュエーションで撮影してみましたが、画質はエントリーモデルとしては上々という印象。夜景も満足がいく画質で撮れました。
カメラは、側面のカメラボタン長押しするだけで起動。撮影画面には「モード」「メニュー」「内側」「動画」など、わかりやすいアイコンが表示されるので、操作に迷うことはなさそうです。マクロレンズへの切り替えは「マクロ」のアイコンをタップするだけ。なお、通常モードで被写体に接近すると、マクロに切り替えるべきタイミングで「マクロ」アイコンが点滅して知らせてくれます。また、他社のスマホのマクロモードは、ピントがぴったり合う距離がわかりづらいことがあるのですが、らくスマでは緑色の合焦表示が出るのでわかりやすく、積極的に活用できそうです。
花の写真を撮るのが好きな人に「花ノート」という機能も備えています。撮影した花の名前がわかり、撮った写真を花の名前で分類して記録できる機能です。
待望の指紋センサーは
登録時のガイドがわかりやすい
らくスマに初めて搭載された指紋センサーは、スムーズにロックを解除でき、便利に使えます。キャッシュレス決済サービスやネットショッピングなど、本人認証を必要とするアプリやサービスが増えていることもあり、もはや生体認証は「あったほうがいい」機能と言い切っていいでしょう。
筆者は指紋登録が苦手で、時間がかかったり、失敗したりすることもあるのですが、らくスマでは比較的スムーズに登録できました。らくスマの登録方法のガイドがわかりやすく、それに従って指紋センサーを押していくだけで、あっという間に設定できます。
シニアだけでなく
みんなに役立つ独自機能が充実
筆者は、このレビューを執筆するために久しぶりにらくスマを使ってみましたが、シニア層だけでなく、多くの人に役立ちそうな機能が充実していることにも気付かされました。
まずは通話に関する機能。相手がマスクを着けていても通話音声を聞こえやすくする「マスク通話モード」、相手が早口でもゆっくりと聞こえる「ゆっくりボイス」などの機能が搭載されています。らくスマは、そもそも通話音質がクリアで聞き取りやすいのですが、「マスク通話モード」をオンにすると、声の輪郭がハッキリとしてより明瞭な音質で聞こえるように感じました。「ゆっくりボイス」は、通話音声を瞬時に録音して、少しスローで再生されるような印象。声質が若干変わってしまいますが、聞き取りやすさは格段にアップしました。
スマホでは搭載機種が少なくなりつつあるワンセグも搭載。さらに、FM放送も聞ける「radiko+FM」もプリインストールされています。日常的に楽しめることはもちろん、災害時の情報源としても役立つでしょう。
歩数計が内蔵されて、心拍数を測定したり、睡眠時に近くに置いて睡眠状態をトラッキングすることも可能。血圧計で測定した結果をカメラで読み取って記録することもできます。これらの健康管理機能も年齢に関係なく役立ちそうです。
ほかに、らくスマの画面に表示させた写真や動画をテレビの画面に映せる「かんたん画面出力」という機能も搭載。テレビにワイヤレスディスプレイアダプター(別売)を取り付ける必要があり、筆者は実際に試していませんが、ガイドによると設定も操作も簡単そう。シニア層には少しハードルが高いかもしれませんが、家族が設定してあげれば、喜んで使ってもらえそうです。
FCNTが運営する「らくらくコミュニティ」というSNSにも簡単にアクセスできます。ユーザーの世代や趣味・嗜好に合わせてさまざまな情報を入手することができ、スマホを積極的に活用する動機にもなりそうです。操作がわからない場合は「らくらくホンセンター」に電話をかけて、問題を解決できることも利点と言えるでしょう。
【まとめ】進化点が多いので
従来モデルから機種変更する価値大
シニア向けスマホの代名詞と言える「らくらくスマートフォン」。最新モデルのらくらくスマートフォン F-52Bを使ってみて、思っていた以上にキビキビと操作でき、機能が充実していることに驚いたというのが本音。らくスマの操作性をそのままに、より高性能なモデルに機種変更できることが利点。特に今回のモデルは、5G対応や指紋センサー、大容量バッテリーなど、すぐに実感できるメリットが多いので、機種変更を検討する価値は高いでしょう。
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