Androidに見えないAndroid
それが「らくらくスマートフォン」
今の世の中、右を向けばiPhone、左を向けばAndroid、前を見たらWindows Phoneだったり、BlackBerryだったりと、いわゆるスマホだらけになっている。もっとも、正直なところ、iPhoneやAndroidがあらゆる万人向けかといわれたら、エンジェルスマイルで「Yes」と言える人は少ないだろう。
そんな状況下で、富士通のシニア向け端末「らくらくフォン」が「らくらくスマートフォン」になって登場した。らくらくホンシリーズは、2011年9月に2000万台を突破している大ヒット商品であり、今回のスマホ化でどうなるか気になるところでもある。
なお、筆者は過去に初代らくらくホン「らくらくホン ベーシック3」を愛用していた。単純に堅牢性と通話性能の高さからだったが、同じ理由で愛用していた人も多いだろう。iPhone 5行列取材中に編集氏より本機を受け取ったとき、それに似た期待を抱いた。
見た目はがっしり感あるけど
ユーザーに優しいインターフェイス
搭載するタッチパネルは4型。本体の実寸は高さ約130×幅約64×厚さ約10.9~12.9mm、重量は約138g。スペックはシングルコアのSnapdragon MSM8255(1.4GHz)、メモリー1GB、内蔵ストレージ4GBとなっている。シングルコアである点がデュアルコア主流のスマホ界隈からするとちょっと弱く思えるが、後述するとおり、アプリによる機能拡張はできないため、余計なメモリーとマシンパワーを食わずにとてもきびきびした印象だ。
そのほかを見てみると、ワンセグ、おサイフケータイ、防水といった日本向けの機能をしっかりと押さえている。バッテリー容量は1800mAhと大きめで、カタログスペック上の連続通話時間は約350分。連続待受は約460時間と、ほかの端末よりもやや長めになっている。詳細は下記のスペック表をチェックしてもらうとして、まずは外観の作り込みを見ていこう。
堅牢性を重視しているためか、少しゴツい印象を最初に受けた。そのため、片手持ち操作はやや困難で両手操作が前提と思っていいだろう。外観を見ていくと、Android 4.0を搭載しているにもかかわらず、ハードウェアのホームキーがある点に目が行く。バックキーやメニューキーは常時表示されておらず、ホームスクリーンから1階層潜ると表示されるという仕様で、その部分だけでも従来のAndroid端末とは異なるカスタマイズが見えてくる。
現状のスマホのトレンドは“薄く軽く”だが、厚さ約10.9~12.9mm、重量約138gというのは平均的に見ると、ちょっと分厚くて重い部類に入る。これは想定するシニア層が持ちやすくするためだと思われるが、不思議なのは重心配置だ。重量よりもやや重く感じるため、自然としっかりとホールドしてしまう。そのわりに手が疲れにくく、よく考えているなぁと感心してしまった。比較するならば、iPhone 5は手になじむデザインだが、らくらくスマートフォンはしっかり持たせるデザインになる。後述するOSのカスタマイズでもそうだが、過去のらくらくシリーズで得てきたノウハウがちゃんと反映されている証拠ともいえるだろう。
スペック概要 | |
---|---|
メーカー | 富士通 |
ディスプレー | 4型液晶 |
画面解像度 | 480×800ドット |
サイズ | 約約64×130×10.9mm |
重量 | 約139g |
CPU | Snapdragon S2 MSM8255 1.4GHz |
OS | Android 4.0 |
メモリー容量 | ROM:4GB/RAM:1GB |
外部メモリー | microSDHC (最大32GB) |
Xi対応 | × |
3G最大通信速度 (下り/上り) |
14.4Mbps/5.7Mbps |
テザリング | × |
カメラ画素数 | リア:約810万画素CMOS イン:約32万画素CMOS |
バッテリー容量 | 1800mAh |
FeliCa | ○ |
ワンセグ | ○ |
赤外線 | ○ |
防水 | ○(防塵対応) |
NOTTV | × |
miniUIM | ○ |
連続待受時間 | 約460時間 |
連続通話時間 | 約350分 |
カラバリ | ゴールド/ネイビー/ピンク |

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