最新パーツ性能チェック 第363回
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Ampere世代の“50番台”GPU、GeForce RTX 3050をレビュー! 低コストにDLSSを導入できるGPU
2022年01月26日 23時00分更新
「Far Cry 6」はFSR使用で大きく伸びる
アップスケーラーの話が出たので、次の「Far Cry 6」は通常設定のほかに、FSRも利用したパフォーマンスも検証してみよう。画質は“最高”とし、レイトレーシングの設定は影/シャドウともにオンに設定。VRAM8GBでは高解像度テクスチャーは足りないことが判明しているため、オフで検証を行なった。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測する。まずはFSRを使わない状態から。
Far Cry 6においても、フルHD解像度においてRTX 3050は2060に肉迫している。WQHDになるとVRAM6GBのRTX 2060では激しく息切れし、4KではRTX 2060はベンチマークを動かすことも難しい。VRAM8GBのRTX 3050やRX 6600も4Kでは完全にVRAM不足となるので、Far Cry 6においてはRTX 3050はフルHDもしくはWQHDプレイが好適といったところだ。
では、次に同じ画質設定でFSRの“バランス”設定を追加するとフレームレートがどうなるか見てみたい。FSR“バランス”とは入力解像度の1.7倍の解像度にアップスケールするという意味になる。例えば出力が4Kの場合、入力解像度は2259×1270となる。検証方法は先の検証と同一だ。
FSRを有効にすると一気にフレームレートが上がるが、フルHDの場合RTX 3060/RTX 3050/RX 6600がほぼ横並び。入力解像度が低いとメモリーバス幅やInfinity Cacheの効果が発揮できないこともあるということを示唆している。
だが、出力解像度が上がると入力解像度も増え、メモリーアクセスも増えるため、RTX 3050やRX 6600は不利になっていくという感じだ。ただ、FSRは解像感を高める処理がDLSSより弱いため、FSR“バランス”でフレームレートを稼ぐ場合は、全体的に眠い映像になってしまう点は覚悟せねばならない。
WQHDでも高フレームレートで楽しめる「Rainbow Six Siege」
ここからは、RTX 3050最大のメリットといえるDLSS対応のゲームでの検証になる。まずDLSSを使わずに検証し、DLSSを有効にした検証はその後で行なう。「Rainbow Six Siege」での検証はVulkan APIを選択し、画質“最高”にレンダースケール100%を追加。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測する。
このゲームでは、RTX 2060の5%程度下のポジションにRTX 3050が付けている。最高画質でもVRAM使用量が増えにくいゲームだけに、両者の性能が逆転する訳ではないが、RTX 3050ならフルHDやWQHDでも高フレームレートでのプレイが期待できる。
GTX 1650やRX 6500 XTでも画質を落とせばそれなりにはなるが、画質はある程度確保したいとか、ゲーム画面の録画や配信を手軽に楽しみたいという人はRTX 3050のチョイスが無難だ。さらに言えば、GeForce系ならシステムレイテンシーを大きく低減する「NVIDIA Reflex(関連記事はこちら)」が使えるのでゲーム上でも有利に立てる。
では、Rainbow Six SiegeでDLSSを利用した時の性能も確認してみよう。RTX 3060/3050/2060のみDLSS“バランス”設定でのフレームレートを計測した。この設定の場合、入力解像度の1.72倍の解像度の映像が“AIによる補正付き”で得られる。画質などの設定は全て前掲の条件を継承している。
DLSSを有効にすると、RTX 2060と3050の差はやや拡大し、フルHD環境でRTX 3050は2060の約8%下となった。前述のROPやテクスチャーユニット数、メモリーバス幅、そしてTensorコアの絶対数(RTX 3050の方が1世代新しいが、RTX 2060の半分以下)などが関係していると思われる。ただRTX 3050であればDLSSを利用することで、WQHDでも平均190fpsは出せる点は評価したい。
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