前へ 1 2 3 4 次へ

第360回 最新パーツ性能チェック

第12世代CoreにはDDR4とDDR5どっちがいい? GIGABYTEマザー「Z690 UD」で検証

文●加藤勝明(KTU) 編集●北村/ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

最も劇的な効果がみられたのは
「Lightroom Classic」

「Lightroom Classic」は前掲のUL Procyonでも使われていたアプリだが、筆者がいつも使っているやり方でも検証してみよう。調整済みのDNG画像(61メガピクセル)100枚を最高画質のJPEGに書き出す時間を計測する。書き出しのウインドウでシャープネス処理(スクリーン用、適用量標準)を追加している。

 DDR5-4800が約3分で処理を終えるところを、DDR4-3200は5分40秒もかかって処理している。DDR5-4800と5200の間には差はほとんどないが、DDR4環境の場合、メモリークロックが高いほど短時間で処理が終わっているため、メモリーバス幅がある程度影響していることは間違いがない。Lightroom Classicを多用する人であれば、まよわず第12世代Core+DDR5メモリーでPCを組むべきだろう。

第12世代Coreの欠点のひとつはDDR4で消える?

 最後に第12世代Coreのネックの1つである消費電力について検証しておこう。ラトックシステム「RS-WFWATTCH01」を用い、システム全体の消費電力を計測した。アイドル時とはシステム起動10分後、OCCT時とは「OCCT Pro」のCPUテスト(エクストリーム&負荷一定)を10分実施時、それぞれ安定値を読み取った。

 まずDDR4環境では、メモリークロックをDDR4-3200から3600に引き上げても、消費電力はさほど増えない。だがDDR4-3600を基準にDDR5の結果を見ると、DDR5-4800で約40W、DDR5-5200で約50Wも消費電力が増えている。第12世代Coreは消費電力が大きいという一種の悪評は、DDR5によるものだったのだ。

 DDR5環境でなぜ消費電力が上がるかだが、CPUコア本体(IA Cores Power)がコア以外の部分(Rest-of-Chip Power)よりも顕著に上がる。メモリーバス幅が広くなったことで、よりCPUコアが頑張るようになり、結果的に消費電力が増えるということではないだろうか。

Lightroom Classicユーザーなら文句なくDDR5へ
ゲーマーは消費電力が抑えられる

 今回GIGABYTE製「Z690 UD」および「Z690 UD DDR4」を使ってDDR4とDDR5の性能差を比較してみたが、両者の違いを明確に感じられるケースはあったものの、多くの場合においてDDR4でも十分速いという結果になった。DDR4と第12世代Coreの組み合わせは導入コストも劇的に減らせるだけでなく、全コアフルロード時の消費電力も抑えることができる。良いことずくめだ。

Lightroom ClassicではDDR5のほうが劇的に処理が早くなるが、ゲームではDDR5はさほど恩恵がないことがわかった

 しかしLightroom Classicに関しては話は逆だ。DDR5環境にすることで処理時間の短縮が期待できる。特に現像時にシャープネスを付与して書き出すような場合においては、2倍近い処理速度の向上が期待できる。ゲームでもF1 2021のように10%以上フレームレートが伸びた例はあるが、基本的には数%上昇、ヘタをすると数fpsしか伸びないこともあるのでゲーマーにとってはDDR4でも良いのではないだろうか。

【関連サイト】

前へ 1 2 3 4 次へ

この記事の編集者は以下の記事もオススメしています

過去記事アーカイブ

2024年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2023年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2022年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2021年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2020年
01月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2019年
01月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
11月
12月
2017年
08月
2015年
04月
09月
2014年
10月
2010年
01月
02月