創って作って造って売り、オセロの四隅×金融を狙って成長し続けるセーフィーの戦略
「IoTスタートアップ成長のカギとは? 上場を果たしたセーフィー佐渡島代表公開インタビュー」レポート
スタートアップへのアドバイスとこの先の展望
佐渡島氏はセーフィーがIPOしたあと、さまざまなスタートアップ企業からも相談を受けており、そんな観点からアドバイスをしてくれた。
大企業は、新たな取り組みは失敗することもあるので長期で見ることと、伴走して一緒になって汗をかくことが重要だという。スタートアップの前線で一緒に泥水をすするのは、楽しいことだと、佐渡島氏。
特にスタートアップは、組織のことや資金調達のことなど、テクニカルの話をしがちだ。しかし、そんなことよりも目の前にいる顧客が本当に必要なものを、徹底してプロダクトがマーケットにフィットできているかに注力すべきだという。
「ポイントはエンジニアを市場に直結することです。カスタマーサクセスを最初はエンジニアにしてもらったり、PoCの時はエンジニアと一緒に行って、お客さまと寝食を共にしたりして、本当の課題を見に行きます。作り手も売り手も一体になることが一番大事で、それがないとプロダクトマーケットフィットは実現できません。プロセスは非常に地味ですが、プロダクトに向き合っていくことが大事です」(佐渡島氏)
コロナ禍でオフィスワーカーはZoomなどによるビデオ会議が当たり前になってきた。しかし、建築などの現場ではまだまだこれからだという。これからは現場をDX化し、AI化して、変えていくそうだ。デジタル庁もできて、公共もクラウドに興味を持ち始めた。ここで、セーフィーが最初から重視していたセキュリティーが活きてくる、と佐渡島氏は胸を張る。
「スマートビルディングも大きな市場だと見ています。IPOで得た資金をフォーカスして投資していき、映像から未来をつくるというビジョンに向かっていこうと思います」と佐渡島氏は締めてくれた。