アプリありきでビルが建つ?
ーー いまDX-Coreはどこまで来ているんですか?
本田 このメブクス豊洲が大規模案件で初の実装になります。DX-Coreとして設備を連携させて、データを取りましょうという実証の場ですね。
ーー Windows 95が出てきたとか、iOSが出てきたというとき最初にのっけた製品がこのビルであると。iPhoneってグーグルマップが一番の推しだったんですよね。いま考えると意外なんですけど、サードパーティー系のアプリを入れられない状態だったので。ああいう最初の器としてとらえるとわかりやすいかもしれませんね。iPhoneもそんなものだったので、これからどんなニーズが出てきてアプリを試せるかを見ていく感じ。いまはもう動いてるんですか?
菅原 いま動いていて、入居しているテナントさんにも一部サービスを提供しています。空調と照明の制御はこれまで防災センターでコントロールしていたんですが、テナントさんにアプリを提供して、「空調を何時から何時まで入れますよ」という感じでコントロールができるようになっています。
ーー 例の海外の映画に近い世界観ですね。
菅原 自分の上にある吹き出し口だけ風量を強めたり、ということをスマホでコントロールできたりします。空調については1台単位で制御できます。
ーー センサーがあるんですかね、たとえば気温、湿度だけでなく二酸化炭素濃度とか。
菅原 制御に必要なセンサーは設置されていますし、追加も可能です。
本田 二酸化炭素濃度は法定義務があるのでやらざるをえないというのもありますが……。
ーー セキュリティ上踏み込めないところかもしれませんが、DX-Coreの文字どおりコアになるハードウェアはどんな規模のものが動いているんですか?
本田 表現が難しいですが、汎用サーバー機上で動いています。
ーー なるほど。それで信頼性が必要だからデュプレックス化してたりとか?
本田 そうですね。
ーー とはいえ重要なのはソフトウェアなので、ハードウェアはニーズに応じて強化されたりするんでしょうね。このあたりもスマホっぽいですね。よく考えれば、なにか建設の目的があってそこでどれだけの人に活動してもらいたいと考えて、ビルというハードウェアを計画するわけですよね。そもそも、ビルはソフトウェアのためにあった。
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