コスパ命の令和のスマホワールドに投げ込まれた
「するめ」のような角の取れた変態スマホ
この11日間、BALMUDA Phoneを使い込んだ結果、2度のフリーズ。直近の1回は何をしても回復せず。フリーズした時刻を表示したままのBALMUDA Phoneのバッテリーが干上がるのを待って、やっと再充電して再起動できた。
凝りに凝った専用アプリのスケジューラーとメモは、なかなかおもしろくてついいろいろ試して遊んでしまう。当然、バッテリー消費はより加速する。誰の思いも同じで、今どき容量2500mAhの内蔵バッテリーは残念だ。BALMUDA Phoneだけを持って丸1日出かける時は予備で買った4500mAhの小さなモバイルバッテリーを一緒に持ち出している。
正直なところ、筆者のスマホ人生初の2回の完全フリーズを経験した時は、同社の「30日間返金保証」プログラムにのっとって返品するつもりだった。しかし情弱の筆者は、コスパ命の令和のスマホワールドに投げ込まれた噛めば噛むほど味の出る「するめ」のような角の取れた変態スマホをこの先も長くいじってみたくなってきた。
先日来、しつこくBALMUDA Phoneのスケジューラーやメモをいじっていて、筆者の中でどうも何時かどこかで経験したような「デジャブ感」が何度も浮かんでは消えていった。ようやくその理由が分かったのは、アプリをいじり出して3日目の朝だった。
コストをかけ、気合入りで開発したと思われる専用アプリを通して見たBALMUDA Phoneは、スマホというより1990年頃のシャープの日の丸PDA・電子手帳「ザウルス」やその10年後に登場したPalm Computingの「Palm Pilot」と同じ匂いがした。
特別な意識なく四六時中手のひらの中でニギニギしていつも一緒、細切れの時間さえあれば、ついいじりたくなるアプリを包んだBALMUDA Phoneは、スマホじゃなくて電話と通信機能の付いた出会うべくして出会った令和のPDAかもしれない。10日目にしてやっとやっともやもやが晴れてきた。

今回の衝動買い
・アイテム:バルミューダ「BALMUDA Phone」
・購入:BALMUDAショップ
・価格:10万4800円
T教授
日本IBM社でThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

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