創業期を脱するための退任
ジャック・ドーシー氏は自らのTwitterアカウントで、社員向けのメールの内容を公開し、CEO退任に関する説明を明らかにしました。メールの最後には、世界で最も透明性の高い企業であるために、とメール公開の理由も添えてありました。
not sure anyone has heard but,
— jack⚡️ (@jack) November 29, 2021
I resigned from Twitter pic.twitter.com/G5tUkSSxkl
メールによると、退任の最大の理由は、Twitterという企業の創業期を脱するためであることが説明されています。共同創業者のドーシー氏が社内にいると、どうしても創業者の移行に沿って決定がなされてしまうと指摘します。今回の退任は、Twitterが創業者の影響力や舵取りから自立した会社になるために非常に重要であるとしています。
後任にはこれまでCTOを務めてきたパラグ・アグラワル(Parag Agrawal)氏がCEOとなります。Microsoft、Adobe、Googleなどのテクノロジー企業のように、インド出身のエンジニアによる経営になります。
アグラワル氏はインド・ムンバイ生まれでインド工科大学でコンピューターサイエンスとエンジニアリングを学び、スタンフォード大学で博士号を取得。その取得前の2011年にTwitterに入社し、機械学習モデルを用いたターゲティング広告のシステムを構築してきた人物です。
社内の信任も厚い同氏が、Twitterをどんな形で自立させていくのか。また社会インフラとしての役割も強いTwitterが、今後どのように社会をデザインしていくのか、引き続き注目していきたいと思います。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。モバイルとソーシャルにテクノロジー、ライフスタイル、イノベーションについて取材活動を展開。2011年より8年間、米国カリフォルニア州バークレーに住み、シリコンバレー、サンフランシスコのテックシーンを直接取材。帰国後、情報経営イノベーション専門職大学(iU)専任教員として教鞭を執る。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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