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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第741回

グーグル「Pixel 6 Pro」で猫散歩! 屋外での撮影はやはり消しゴムマジックが超便利

2021年11月30日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家 編集●ASCII

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2匹仲良く並んだところを、と思ったらチャトラが隠れてしまった。1匹は舌をちょろっと出してくれたのでよし。這いつくばって撮影。2021年11月 Google Pixel 6 Pro

 カメラ性能をウリにしたスマホっていっぱいでてるのだけど、カメラの良さってスペックだけじゃわからないのが厄介なのだよね。でもときどき、妙に評判のいいカメラってのがある。最近ではGoogleのPixel 6 Pro。Pixelシリーズのカメラってここ数年評価が高いのだけど、今回は特にいいらしい。

 ってんで、さっそくわたしも使ってみたのだ。Pixel 6 Proはトリプルカメラ。望遠カメラが4倍とかなりの望遠仕様になってるのだが、評価が高いのは個々のカメラユニットの性能よりも賢さ。なにしろコンピュテーショナルフォトグラフィーの雄ともいえるGoogleだからね。決して派手じゃないけど、明暗のバランスや色のバランスが良くて、通常の撮影で失敗することはまずないって感じ。

これがPixel 6 Pro。向かって左の大きなカメラがメインの広角カメラ。隣の小さなカメラが超広角で、四角く空いてるのが望遠カメラだ

 せっかくの4倍望遠なのだから外の猫だーってんで猫散歩してみた。するととある飲食店の裏でちょっと怪しげな傘を発見。よく晴れた日なのに無造作に傘が拡げておいてある。もしや猫かな、と近づいてみると、その横でキジトラがお昼寝してるではないか。なかなか背景に溶け込んでていい感じだ。裏路地だから人通りも少ないしね。気持ちよさそうで何より。

4倍の望遠カメラで撮影。左手前に猫の雨除け用と思われる傘が写ってる。目を閉じてお昼の休憩中って感じのキジトラ。2021年11月 Google Pixel 6 Pro

 さらにアップで撮ろうとぐぐぐっとデジタルズームしたのがこちらだ。薄目をあけてチェックされたけど、私がそれ以上近づかなかったのでまた寝てしまった。都会の猫っぽいふてぶてしさがたまらん。

ほんのちょっと薄目をあけられてしまったけど、20倍でこのクオリティーで撮れるのは実用レベル。ちょっとびっくり。2021年11月 Google Pixel 6 Pro

 でもせっかく晴れた日なのだから日なたでにょほほんとしてる猫にも出会いたいよね、いないかなあとさらに足を伸ばす。冬が近くなると日が短くてすぐ暗くなっちゃうし、太陽の位置が低いので東京の様な建物だらけの都市だと日陰が多いのだけど、気温が低くなる分、猫の日なた率があがるのだ。

 そして運良く出会ったのが冒頭写真。日なたをもとめてメチャ目立つ場所にちょこんと座ってたのだ。実際、どのくらい日なたが少なかったのかというとこのくらい。わずかな日なたを選んでるのがわかるかと思う。この写真、じっと誰かを待ってるようでなかなか風情がある。

ちょうど日が当たるところを選んで座ってる2匹。特に誰かを待ってるわけではないようだけど待ってるようにしか見えない。 2021年11月 Google Pixel 6 Pro

 ちょうど人がひとり通りがかってた。これは人が写ってない方がいいのだけど、このあと猫が動いちゃって2匹並んだ感が消えちゃった。そんなとき「消しゴムマジック」の出番である。Pixel 6 Proの写真管理・編集アプリはGoogleフォトなのだけど、Pixel 6シリーズ専用の機能が追加されてたのだ(つまり、iOS版やPixel 6以外のAndroid機では今のところ使えない)。

 世の中にはそういう機能を持ったアプリはあるけど、標準アプリが搭載してるってでかい。ほかの機種でも使えるようにしてほしい。

Pixel 6のGoogleフォトにはほかにはない「消しゴムマジック」機能がついてるのだ

 これで人を消してみたのがこちらだ。写真の雰囲気が全然違う。おもしろいよねえ。

誰もいないと急に寂しい冬の日って感じになるのが写真の面白いところ。よーく見ると不自然なとこあるけどね。2021年11月 Google Pixel 6 Pro

 こういう細かい編集の話はいつもしないのだけど、猫を可愛く撮れたので公開したいけど横や後ろに公開したくないもの……たとえば車のナンバープレートとか見知らぬ人とか場所を特定できるナニカ(看板とか住所表記とか)があるからちょっと出せないことはよくあるのだ。飼い猫を撮ったときも背景に写ってほしくないものが……ってことが頻繁にある。

 消しゴムマジックはそんなときにもよいのだ。でもまあ怖ろしい技術ではあるよね。写真修正のテクニックがなくてもこれができちゃうのだから。

 さて話はもどって猫写真。不用意に近づかない限り、人間のことなんて気にせずのんびりしてる猫たちなので、ほどよい望遠カメラがあるといろんなリラックス姿を撮れる。まずは陽射しの下で毛繕いをはじめたチャトラ。舌が大きく出た瞬間をおさめるべく、いっぱい撮ったなかの1枚だ。

ちょうど舌面積がでかい瞬間をゲット。猫の舌は長いだけじゃなくて幅もあるのだ。2021年11月 Google Pixel 6 Pro

 お次は舌で鼻を舐めた瞬間。ちょこんとのっけてる前足が可愛い。

こっちは偶然なのだけど、舌で鼻を舐めた瞬間っていい顔をしてる。2021年11月 Google Pixel 6 Pro

 今日最後の写真はとあるお花屋さんの猫。あ、猫がいるとPixel 6 Proを構えたら階段をとことこと降りてきたのでちょっと慌てて撮った1枚だ。花がいい感じに鮮やか。

お花屋さんの猫。日陰でちょっと暗かったのだけど花の鮮やかさとの対比が井伊感じに撮れた。2021年11月 Google Pixel 6 Pro

 と、Pixel 6 Proのカメラ性能は大変よかったのだが、残念なのは「猫検出AFを持ってない」っぽいこと。だから猫の顔にちゃんとピントを合わせるためにタッチAFが必要になるケースがある。Googleにはぜひアップデートか何かで得意の機械学習を駆使した猫の顔認識AFを搭載してほしいと思う次第である。

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筆者紹介─荻窪圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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