コロナ禍でペット需要が増加傾向にあるという話を、たびたび聞くようになった。自宅で過ごす時間が長くなったことで、ペットに癒しを求める人が増えたということだろうか。たしかに、近所のペットショップを覗けば、かつてよりも混み合っているようにも見える。
ウワサは本当か? パナソニックによる「今後のペット飼育意向」の調査を参照しながら見ていこう。
ペットオーナーの12.8%
コロナ禍をきっかけにペットを迎え入れた
今回の調査は、国内の20代〜60代男女1万人を対象としたもの。コロナ禍で高まるペットブームを受けて実施したもので、インターネットを通じて調査した(調査1)。さらに、イヌまたはネコを飼っている全国20代〜60代のペットオーナー500人に対し、「ペットを飼っていて感じる障壁」についても聞いた(調査2)。
調査1では、26.7%が「今は飼っていないが条件が整えば飼いたい」と回答し、2.2%が「今は飼っていないが、すぐにでも飼いたい」と回答。合計すると、28.8%にあたる2880人がイヌやネコを飼いたいと思っていることになる。
調査2では、新型コロナウイルス感染症の発生以降に「イヌ・ネコを飼い始めた」という回答が12.8%で、「イヌ・ネコの飼育頭数を増やした」という回答が4.2%。ペットオーナーの17.0%は、コロナ禍がきっかけとしてペットを飼い始めたり、飼育頭数を増やしたことになる。
比較対象となるコロナ禍以前のデータがないため、「増加している」と断定はできないが、今回の調査の範囲では、ペットを欲しがっている人がおよそ10人に3人という高水準に上っており、かつ、コロナ禍以降に新たなペットを迎え入れた人が10人に2人もいることになる。需要は増加傾向にあると見てもいいだろう。
ペットを飼うには課題も
すでに飼っているオーナーの悩みは?
調査1では「ペットを飼いたい」と回答した2880人に対し、ペットを飼っていない理由も聞いている(複数回答)。
理由のトップ3は「金銭面での負担が大きそう(32.4%)」「住環境の問題(31.6%)」「世話をする時間が確保できない(26.6%)」という結果になった。また、「抜け毛が多そう(20.4%)」や「部屋のニオイ(18.1%)」といった、ペットと暮らす上で生じる事象に不安を感じている人も一定数以上いるようだ。
抜け毛やニオイについて、実際にペットを飼っているオーナーはどう感じているのだろう。調査2では、「ペットを飼う上での悩み」について聞いている。ペットを飼っている上での悩みが「ない」と答えたのは37.6%という結果に。つまり、ペットオーナーの62.4%は、何らかの悩みを抱えていることになる。その内容は、「抜け毛(27.4%)」や「部屋のニオイ(23.6%)」が多かった。
ペットを飼いたいと思っている人がペットを飼わない理由と、実際にペットを飼っている人が悩みとして挙げている項目は、ある程度共通しているようだ。