超パワーなM1 Pro/M1 Max搭載のMacBook Pro登場 新型AirPodsも! 第20回
第3世代AirPodsが「すべてを楽しむならマストバイ」なわけ
2021年11月15日 12時00分更新
ポイントは「ダイナミックヘッドトラッキング」
「空間オーディオ」は、Dolby Atmosのような音声オブジェクトベースのオーディオフォーマットを、少ないスピーカーで再現する技術として、最初はAppleが提供する映像コンテンツ用として導入された。今年6月にApple Musicで「空間オーディオ」がサポートされ、大きく注目を集めたところだ。
10月には、NetflixのiOSアプリが「空間オーディオ」に対応した。またAmazon Musicでも同じく10月にこれまでの「3Dオーディオ」という表記をやめ、「空間オーディオ」に統一、すべてのヘッドホン・イヤホンで楽しめるとした。このように、「空間オーディオ」は今やパワーワードであり、ここに集まってくるコンテンツも増えてきたという経緯がある。
一方で「ダイナミックヘッドトラッキング」は、イヤホン内にジャイロセンサーを備えるAirPods Proと共に登場した技術で、音の正面を定義し、頭を動かしてもサウンドフィールドは正面をキープするというものだ。現時点では、「ダイナミックトラッキングも空間オーディオ技術の一部」とする説と、それぞれは別の技術とする説が混在しているが、個人的には別の技術だと思っている。なぜならば、「空間オーディオ」コンテンツじゃなくても「ダイナミックヘッドトラッキング」が使えるからだ。
では第3世代AirPodsを使って、様々なコンテンツをテストしてみよう。まず基本とも言えるApple Musicの「空間オーディオ」コンテンツを視聴すると、イヤホンのステータスには「オフ」- 「固定」-「ヘッドトラッキング中」の3つが選択できるようになる。それぞれの状態をいかにまとめてみる。
第3世代AirPodsの ステータス |
効果 |
---|---|
オフ | 「空間オーディオ」がオフでステレオ再生 |
固定 | 「空間オーディオ」のみで「ダイナミックヘッドトラッキング」はオフ |
ヘッドトラッキング中 | 「空間オーディオ」+「ダイナミックヘッドトラッキング」 |
では空間オーディオ非対応のステレオ楽曲ではどうなるかというと、イヤホンのステータス表示は変わらない。だが「空間オーディオ」の代わりに、「ステレオを空間化」という状態になる。これはステレオソースを擬似的に空間オーディオ的な感じに広げているということだ。
では、Amazon Musicの「空間オーディオ」コンテンツを第3世代AirPodsを使用するとどうなるのか。実際にテストしてみたところ、Amazon Musicが「空間オーディオ」のストリームを出力していることをiOSが検知できず、「ステレオを空間化」+「ダイナミックヘッドトラッキング」となる。この場合、「空間オーディオ」のストリームの上に「ステレオ空間化」がかかることになるので、正確な音像にならない。
従ってAmazon Musicを使う場合は、ステレオ再生に切り替えたのち、「ステレオを空間化」+「ダイナミックヘッドトラッキング」に頼った方が満足度が高い。Amazonが正式に「Appleの空間オーディオ」をサポートしない限り、このややこしい関係は解消しないだろう。
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