いまフィンテックで最も熱い分野が「後払い」サービスです。興味深いのは、クレジットカードを持っているにも関わらず後払いを使う人が意外なほど多いこと。その理由を探っていくと、後払いサービスが秘める大きな可能性が見えてきました。
世界的に盛り上がる後払いサービス
英語圏ではBNPL(Buy Now, Pay Later)の略語で広まっている後払いサービスは、商品を先に受け取り、お金は後で払う支払い手段です。「手数料無料」をうたうサービスも多く、無料で支払いを3〜4回に分割できます。
日本でもNP後払いやペイディが知られています。たとえばアップルではペイディが導入されており、iPhoneやMacなら24回、iPadやアクセサリー製品は3回の分割払いを金利0%で利用できます。
金利0%といっても実際には加盟店側が手数料を負担しているわけですが、それはクレジットカードなどでも同様です。後払いを入れておけば販売機会を逃すことがなく、売上が伸びるとの認識が広まり、導入が進んでいるようです。
ペイディは日本発の企業ですがPayPalが買収を発表。米国のアマゾンはナスダック上場の米Affirmを後払いに採用。小型の決済端末で知られるSquareはオーストラリアのAfterpayを買収、ソフトバンクグループのビジョンファンドはスウェーデンのKlarnaに出資するなど、世界的に大きなニュースが相次いでいます。

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