セーフィー株式会社は2021年9月29日、記者会見を開催。東京証券取引所マザーズに上場したことを発表した。
記者会見は会社紹介のVTR放映、代表取締役社長CEO 佐渡島隆平氏の挨拶、質疑応答、フォトセッションのスケジュールで開催された。 用意されたVTRでは、「クラウドカメラの可能性が無限に広がっています。人の安全を守るだけじゃない。リアルタイムな映像のやりとりで、現場に行かなくても指揮をとれる仕事現場のDXを叶えたり、AIと連動した賢くなるカメラで店舗の混雑をなくす、作業やサービスの改善に貢献する。集まったデータから天災を事前に予測。よりスムーズな自動運転社会を実現することも。見守ること、そこから集まる知見で、この国の産業をもっと元気にする。1人ひとりが自分の意志で、やりたいこと、やれることをもっと豊かにする。セーフィーの夢が今羽ばたきます。見るって、EYEで、愛なのかも。映像から未来をつくるsafie」というナレーションとともに、東京証券取引所マザーズに上場したことを発表。
佐渡島隆平氏が語る「セーフィーの目指す未来」
BtoB向けのクラウド映像サービスを展開しているセーフィーは、キャノングループやKDDI、NTTグループ、SECOMとともに市場を形成し、ビジネスを推進。クラウドモニタリング録画サービスシェアでは、2020年で47.5%と圧倒的な数字を誇っている。NO.1になった理由としては「カメラのOSを各メーカーに提供することで、さまざまなデバイスでサービスを利用できるようになったこと」が挙げられると佐渡島氏は語る。加えて「強固なセキュリティ」「誰もが使える高品質なUI/UX」「AIなどの拡張性が高いプラットフォーム」といった技術的なポイント、そして顧客からは「高品質・低価格なサービス」「拡張性の高さ」「どこでも購入できる販売網」といった理由で支持を集めているという。
さらにコロナ禍で遠隔で仕事をすることが当然となり、労働人口は減少、動画などのデータを使ってAIで判断する必要性があり、蓄積されたデータをさまざまなアプリケーションに変えていくことが社会のニーズそのものになっている。 課金カメラの台数は2021年6月末現在で12.9万台、潜在ネットワークカメラ台数は国内だけでも2,863万台と試算。さらにグローバル市場の大きな開拓余地が存在していると佐渡島氏は話す。
売上は今期80億円を見込んでいる。コロナ禍で一番厳しかった2019年からの2年間に約5倍の成長を遂げていることが、社会からいかに求められているかが分かる数字である。
セーフィーの製品とサービス
集まってきたデータをさまざまなアプリ―ケーションに変えていくことが同社のサービスであり、成長戦略である。
建物・下手の出入り口向けのアプリケーション「セーフィー エントランス」は、自動顔認証により手ぶら解錠や入退室記録の管理、勤怠管理システムとの連携が可能。LTE通信、バッテリー内蔵の「セーフィー ポケットツー」は、遠隔業務に導入。
これらをスタートアップだけで広めることは難しいという現状があったが、セールスパートナーと資本業務提携続することにより、販売体制を構築し、50%に迫る市場シェアを獲得したと明かした。
導入実績としては、「ユニクロ」「GU」などの小売り、「マクドナルド」「牛角」などの飲食、「奥村組」「三井不動産」などの建設・不動産、「関西電力」「東京ガス」などのインフラ、「ASKUL」「モノタロウ」などの物流、「JR」「富士急行」などの交通などがあり、エンタープライズの顧客が広がる余地はまだまだあると佐渡島氏は話す。
ビジョンを実現するための現場DX
「現在強化しているのは、現場DX。小売店であれば、映像を保管するだけでなく、来店者の情報とセットで使える。飲食店であれば、混雑状況によって集客を変えていける。建設現場であれば、現場へ行かなくても3Dのデータと映像を同時に見ることで業務を遂行できるなどが弊社の強み」と話し、動画とともに医療現場DXや、施工状況の確認や品質管理を遠隔で行う建設現場DXを紹介。また、1人焼肉ブランド「焼肉ライク」では全店舗にカメラを導入し、ウリである「3分提供」のオペレーション改善に成功したという。公共現場DXでは、災害時に避難場所の現状確認や土砂崩れが起きた場所の確認などの活用を想定し、実証実験利用も進んでいる。
セーフィーの成長戦略
「“家から町までをデータ化し、すべての人の意思決定を変えていく”には、当社だけでアプリケーションを作って、サービスを提供するだけでは、数限りあるオペレーションしか実現できない。AIのベンチャーさん等にも開発プラットフォームを開いていきたい」と佐渡島氏は語る。すでにさまざまなベンチャーとの協業も始まっている。
「“家から町までをデータ化し、すべての人の意思決定を変えていく”には、当社だけでアプリケーションを作って、サービスを提供するだけでは、数限りあるオペレーションしか実現できない。AIのベンチャーさん等にも開発プラットフォームを開いていきたい」と佐渡島氏は語る。すでにさまざまなベンチャーとの協業も始まっている。
「今回100億円近く資金調達させていただいているので、徹底してアプリケーションのプラットフォームにしていく」と佐渡島氏は話す。カメラとアプリをセットで提供し、さまざまな業界で使っていただけるように投資を集中していく予定だ。
質疑応答では「今後、新規に開拓したい領域」についての質問には、「現在、飲食、小売り、建設という現場で使っていただき始めているが、製造、公共、スマートビルディングなどを次の展開に生かしていきたい」と回答。個人向け利用に関しては「DIYの文化が日本にはあまり根付いていない。人が働き方を変えていきたいとか、労働力・生産人口が減っている、コロナ禍でも遠隔で仕事をしたいといったニーズのほうが大きいので、まずはしっかりとビジネスの領域で進めいきたい。その先にBtoBtoCなどはあるかもしれない」と考えを述べた。
最後にフォトセッションが行なわれ、上場記者会見は終了した。
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