「AYA SCORE」「まちのコイン」が目指すもの:

地方創生に「スコア」や「コイン」が使えるワケ

文●石井英男 編集●ASCII

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地域資本主義は、それぞれの地域で異なる資本主義である

佐藤 僕らは地域の豊かさを「地域資本」ととらえ、それを3つの因子(自然や文化、人と人のつながり、財源や生産性)であらわしていますね。

 因子のすべてが高ければいいというわけでもなくて、基本的にどれが高かったり低かったりしても構わない。それは人によって望む形があるからですね。たとえば「東京は人と人とのつながりが薄くて寂しいね」と言うかもしれないけど、そうじゃない考え方、そうじゃない人たちもいるかもしれない。それが個性的な発展につながる。経済合理的に画一的な軸で発展していこうとすると均質的な発展になってしまうので、僕らは3つの軸に多様化したわけです。

 それを僕らは「地域資本主義」として、そのまま事業にしています。もともと鎌倉で地域を盛り上げようとやっていた活動を「鎌倉資本主義」と名付けていたのでそれをモデルに名前をつけて。下川町なら「下川資本主義」、八女なら「八女資本主義」があっても構わないじゃないかと。まちのコインもちいき資本主義事業部という部門がやっているんですが、地域が個性的に発展して地域がそれぞれの豊かさに気付いていく、そういう活動をやっているわけです。

 森田さんが言っていたソーシャル・キャピタルを可視化する活動や、最近だとコモンズみたいな共有財という考え方は、「地域環境資本」というか環境側面で言われることが多かったと思うんですが、社会関係も立派な財ですよね。

 僕らはゲーム会社でもあるので、そこに指標を与え、人々にフィードバックを与えることがどれだけ動機づけになるかというか、それ自体をよく理解してるつもりです。(地域活動を)測定可能にして可視化したり、みんなで同じ目標を目指す。AYA SCOREもそういう取り組みだと思います。自分やみんなが目指すものに指標やスコアリングを使うことはとても重要です。

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