長い付き合いになる教習車
Honda「CB400 SuperFour」
初回の教習は2時間連続で、バイクの操作説明から始まります。教習車はHondaのCB400 SUPER FOURの教習車仕様で、車体重量約200kgと、400ccとしては重量のあるバイクです。フロントとリアには、ギアの位置を知らせる表示ランプのほか、転倒してもエンジンやマフラー等にキズがつかないようエンジンガードやリアバンパーが装着されています。色はグリントウェーブブルーメタリックというカラーリングです。
まずはメーターの見方から。左側に指針式の速度計、右側に回転計があり、その下にはウインカーのランプのほか、ハイビーム表示、そしてニュートラルポジションのランプが並びます。ちなみに市販されているCB400 SUPER FOURには、速度計と回転系の間にギアポジションのインジケーターがあるのですが、この教習車にはありません。
教習車といっても、操作方法は市販車と変わりありません。ハンドルバーの右手側で、前輪ブレーキとアクセルをコントロール、左手側でクラッチを操作します。レバー操作は2本指ではなく、4本の指でしっかり行なうように、との指導を受けました。
バイクは手だけでなく、足でも操作をします。右足側はリアブレーキ、左側は変速ペダルで、つま先で上にあげるとシフトアップ、踏むとシフトダウンします。シフトは1⇔N⇔2⇔3⇔4……と、1速と2速の間にニュートラルを挟むギアパターンで、これをリターン式といいます。スタンドはサイドスタンドのほか、センタースタンドも装備されています(教習車の場合)。バイクを停車する際は、サイドスタンドを立てて、ハンドルを左側に向けます。ちなみにセンタースタンドはメンテナンス等をするときに便利なものです。
まずはセンタースタンドを立てた状態で、エンジンのかけ方から教えてもらいます。キーを回してハンドルバー右手のスタータースイッチを押してエンジンが始動。ヴォンというイイ音が響き渡ります。続いてシフト操作の練習。アクセルを戻して、クラッチレバーを握り、左足で操作し、クラッチレバーを離して、アクセルを少し捻る。これを繰り返します。この時、回転系を見ずにエンジン音で回転数を合わせていきます。
初めてバイクを自分で操作できて、ちょっと楽しそうな唯さん。ガチャガチャとつま先でギアを操作したり、アクセルを意図的に捻ってみたり。こうしてギア操作に慣れたところで、指導員から「ニュートラルにして下さい」という指示が。このニュートラルポジションに入れるのが結構難しいようで、何度か挑戦し、ようやくできた模様。
こうしてギア操作とアクセル操作に慣れたところで、今度は乗降の練習です。一回バイクから降り、センタースタンドを外します。バイクの左側に立って、ハンドルでバイクを押すとセンタースタンドが外れるのですが……。
「バタン!」と大きな音を立てて、バイクが転倒! 体の細い唯さんに、200kgの車体は重かったようです。となると始まるのが「引き起こし」。バイク教習最初の関門です。
「体をバイクに近づけて、ハンドルとリアバンパーを持って体全体を使って起こしましょう」というのですが、箸より重たい物を持ったことがない(という)唯さんには厳しいもの。数回トライして、ようやく成功。引き起こしができたらスタンドを立てて、ハンドルを左へ。
せっかく立てたバイクですが、今度は右側に倒すようにと指導員から指示が。右に倒れた場合は、最初にスタンドを立ててから行ないます。コツをつかんだらしく、先ほどよりは早くバイクを起こすことができました。
さて「最近は最初から大型自動二輪の免許が取れるのに、なんで普通自動二輪の免許を取るの?」という疑問が沸かれた方がいるかと思います。免許を持っていない方が、いきなり大型自動二輪免許にチャレンジできるは教習所によって対応しているところ、いないところがあります。多くの教習所では対応されていらっしゃらないようで、対応しているのは規模の大きな教習所ではないでしょうか。それは教習内容が指導員にとって大変であると推測します。
レインボーモータースクール和光の場合、いきなり大型自動二輪免許に挑戦できますが、その教習料金は、学科教習を必要とする「免許なし・原付・小型」で28万1820円、普通車免許を所得している方で、19万8110円と高額です。料金表をよく見ると普通二輪+大型二輪の教習を加えた金額に比べると少しだけ安価に思えるのですが、普通二輪を取得後に申し込みをすると卒業生割引を受けられますので、ほぼ同じ金額になります。コスト的なメリットはほぼないのです。
さらに、レインボーモータースクール和光の場合、申し込み時に大型バイクを引き起こしと手押しができることを条件としています。これがいきなりできるかというと、男性でもできない場合が多く、特に初めてバイクに触れる女性の場合、ほぼ不可能なのだとか。
続いてバイクを押してコースへ。200kgあるバイクを押して歩かないといけません。コースに出たら、今度はバイクに乗車するのですが、唯さんの体力は限界を迎えてしまったようで、またしてもバイクは転倒、引き起こし再びです。
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