ahamo/povo/LINEMOと3大キャリアから20GBで2000円台のオンライン専業プランが登場し、シンプルでわかりやすい料金プランが多くなるかと思われたが、逆に格安SIMを中心に特徴的なプランが登場している。選択肢が増えて歓迎すべきことではあるが、選ぶ側としては難しくなっているという側面もある。
そこで、主なニーズ別にお得になりそうなプランを各社から選んでみた。
「家にこもっていて、固定回線もあるのでとにかく安く」なら
楽天モバイルやOCN、HISモバイル
昨今の社会状況では、固定回線のある家の中にこもっていることが多く、外ではデータ通信をほとんど使わないのでとにかく安くしたいという人は多いだろう。
一番安いという意味では、月1GBまでなら0円という楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT」だろう。しかもRakuten Linkアプリを使った通話なら基本的に通話料も0円だ。1GBを超えても段階的に請求額が上がっていき、20GBオーバーでも3278円が上限だ。
一方で弱点はエリアが狭いこと。楽天の自前のネットワーク以外はauのネットワークにローミング接続するが、東京などの一部地域ではローミングが終了しているので完全に圏外という場所も少なくない。楽天のエリア自体はハイペースで拡大しているので、自分の利用範囲で問題ないならイチオシとなるだろう。
多少は外出する機会もあり、エリアが充実しているのが前提なら、ドコモなどのエリアで使えるMVNOの格安SIMとなる。1000円以下のプランもたくさんあり、月1GBで足りるのであればHISモバイル「格安ステップ」で590円、OCN モバイル ONEも770円。3GBくらいは必要というのなら同じくHISモバイル「格安ステップ」が790円、nuroモバイルが792円となる。
MVNOの格安SIMだと、昼休みなどの混雑時間帯での速度低下が気になるというなら、ソフトバンクが提供するLINEMOから登場したばかりの「ミニプラン」が月3GB使えて990円。しかもLINEのトークや通話では通信量が消費されない。
ネット通販をよく使うので特典が多いサービスがうれしい
家ごもりの結果、ECサイトを使いまくるという人も少なくないだろうが、Yahoo!ショッピングやPayPayモール、ヤフオクなど、ヤフー系のサービスのユーザーなら、Y!mobileがかなりおトクだ。
Y!mobileの月3GBのプラン「シンプルS」は通常料金は2178円とMVNOの格安SIMより高めだが、月508円のYahoo!プレミアムが無料になるほか、Yahoo!ショッピングやPayPayモールの特典が通常のYahoo!プレミアム利用者よりもプラスになることもある。過去のPayPayのキャンペーンでもY!mobile利用者は大きな特典が付与されている。
Y!mobileのオプションで月550円の「Enjoyパック」に加入すれば、毎月500円のクーポンに加えて、ポイント還元率が上乗せされる。ヤフー系ECサイトのヘビーユーザーなら、Y!mobileの料金以上のポイントゲットも期待できる。
ECサイトとの連携と言えば楽天モバイル。楽天モバイルに契約しているだけで、楽天市場での買い物時にポイント付与が1%アップするが、特典の大きさではやはりY!mobileだろう。
なお、Y!mobileの3GBプランではやや割高感があるが、15GBのプランMは3278円と3大キャリアの新プランの料金に近づく。Y!mobileでは8月から、余った通信量の翌月繰り越しも始まったので、繰り越しがない3大キャリアの新プランよりも使い勝手がよい。
家族でより安くスマホを使いたい
家族で安くするといっても、最近では通信量をシェアするプランよりも各々が自分にあった安いプランを見つけて加入することがオトクなケースが多い。3大キャリアの主力プランも各々が好きなプランに加入して、家族の回線数に応じた割引をそれぞれに受けられる方向にシフトしている。
とはいえ、通信量シェアタイプでもオトクな例はある。たとえばIIJmioの主力プランである「ギガプラン」だ。同一IDで契約していると作れるグループ内のそれぞれのSIMに含まれる通信量を合算してシェアできる。
具体的には、月10GB使う回線が1つと月0.5GBしか使わない回線が2つというような場合。「ギガプラン」で別々に契約すると15GB+2GB×2の契約で、合計3564円(1848+858+858)となるが、このシェア機能を利用すれば4GB×3の契約にすることで3234円と安くなる。極端に通信量が少ないサブ回線がある場合などにオトク度が増しそうだ。
IIJmio「ギガプラン」で注意する点があるとすれば、上述のように同一IDでの契約であることが必要な点。つまり名義も同一で、支払いも一緒となる。将来的にMNPで転出する場合などに若干面倒なことになることも考えられる。
通信量シェアはOCN モバイル ONEでも可能。こちらは主回線の通信量をシェアできる副回線的なSIMを追加できるというもの。1回線あたり572円で可能だ。
複数回線の契約による家族割引で割引が大きいのはY!mobile。2回線目から1188円引きという大きな割引がある。MVNOの格安SIMでの家族割引はBIGLOBEモバイルの2回線目から月220円引きや、mineoの各55円引きなどがある。
この連載の記事
-
第268回
スマホ
ahamo/UQ/LINEMO、約3000円で30GBの料金プランが並んだが、さてどれがいい? -
第267回
スマホ
2万円切りで4G通信&実は通話も可なタブレット「Redmi Pad SE 8.7 4G」を使った -
第266回
スマホ
最新のiPhone 16が1年間はたった月3円!? まだある、安くiPhoneを使う方法 -
第265回
スマホ
2回線以上で安くなる、1人で複数回線持ちに適した格安SIMはどれ? -
第264回
スマホ
「月280円~」のHISモバイル新プランを契約して試した! 最安での利用は難しいが、月7GBで割安だ -
第263回
スマホ
SIMだけ契約がブーム!? スマホは買い換えずにSIMだけの乗り換えでトクする方法を考える -
第262回
スマホ
夏休みも後半! 8月のギガが足りないときに今すぐ解決する方法 -
第261回
スマホ
元祖携帯電話のモトローラ この夏に良コスパのスマホを多数リリースだが、筆者が買ったのはコレ -
第260回
スマホ
条件次第で“最安”をうたうLINEMOの新プラン「ベストプラン」って、実際どうなのか調べた -
第259回
スマホ
格安SIMでIPv6が使えると何かいいことがあるのか? -
第258回
スマホ
ミドルクラスでは防水対応はやや軽視の傾向!? 夏に便利な格安の防水スマホはどれ? - この連載の一覧へ