iPhone/iPadと同じ進化を遂げた「FaceTime」と「マップ」
macOSにも標準搭載されているコミュニケーションアプリのFaceTimeには、次期iOS/iPadOSと同様に複数の通話参加者と一緒にテレビ番組や映画、音楽をシェアしながら楽しめる「SharePlay」機能が加わる。
Macの場合は、ビジネスシーンでFaceTimeを使う機会が増えることも期待される。WindowsやAndroidを利用する通話相手にも、FaceTimeでつながるためのリンクが送れるようになるからだ。アップル外プラットフォームのデバイスでは、ブラウザで参加する形になる。
内蔵スピーカーによるFaceTimeの通話音声は空間オーディオ対応になり、タイル状に表示される画面に表示される人物の位置と同じところからこえがきこえてくるようなリスニング感が得られるという。
通話音声の「声を分離」して、周囲の環境ノイズを相手に聞こえなくする「声を分離」が便利だ。話者の背景にぼかしを加える「ポートレートモード」も実用的だと思う。ただ本機能は残念ながら、高度な画像信号プロセッサを統合するM1チップを載せたMacでのみで使えるようだ。ビデオ通話の利便性を高める機能が揃うことで、FaceTimeがMicrosoft TeamsやGoogle Meet、Zoomなど先行するライバルに追いつけるのか注目したい。
アップル純正のマップアプリが、大型アップデートを遂げる。多くはiOS 15やiPadOS 15でも同様に提供される新機能だが、例えばマウスやトラックパッドによる操作で視点を変えられるインタラクティブな地球儀表示から、ディティールに富む3Dマップまで、Macを使った地図検索がまた楽しく便利になりそうだ。
FaceTime通話やマップに関するアップデートは、macOSがまた一歩iOSとiPadOSとの親和性を深めたことを意識させる。macOS Montereyの登場によってまた、iPhone感覚でシンプルに使えるMacの魅力が多くのユーザーに広く伝わると思う。
筆者紹介――山本 敦
オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。
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