日本ではまだスマートフォンの展開をしていない「realme」。現在はモバイルバッテリーやヘッドフォンなど、AIoT製品をオンラインで販売しています。グローバルでは8月3日にアップルのMagSafeによく似た「MagDart」システムを発表するなど、勢いに乗っているメーカーです。
そのrealmeがAIoT製品などを展開する「realme TechLife」ブランドとして、「DIZO」をインドでローンチしました。DIZOはrealmeのサブブランドという位置付けですが、スマートフォンは展開しません。スマートフォンと連携するAIoT製品を中心とした製品をこれから次々と出していく予定です。
そんなDIZOからフィーチャーフォンが2機種登場しています。フィーチャーフォンはAIoT製品ではないでしょうが、realme本体はスマートフォンを展開しているブランド。新興国ではまだフィーチャーフォン需要も強く、そこでサブブランドからフィーチャーフォンを出したということのようです。
DIZOのフィーチャーフォンは「Star 500」と「Star 300」の2機種。どちらも通信方式はGSM、通話とSMS、カメラに音楽再生やラジオなどベーシックな機能に留まります。せめて3Gに対応し、KaiOSなどグーグルサービスの使えるフィーチャーフォンにしてほしかったと思うのですが、Star 500は1799インドルピー、Star 300は1299インドルピー、それぞれ約2700円と約1900円です。この価格のフィーチャーフォンを買うのが精いっぱい、という消費者も新興国にはまだ多くいます。DIZOのフィーチャーフォンはrealme傘下ブランドという安心感がある激安端末なわけです。
とはいえ、安いだけでは消費者は興味を示さないでしょう。ましてやDIZOはまだ名前の知られていないブランドです。そこでDIZOのフィーチャーフォンは本体デザインにも力を入れ、安物には見えない上品な仕上げにしています。DIZOのターゲットユーザーはrealme同様、25歳以下の若い世代。「DIZOを持っていることがおしゃれ・かっこいい」と思われるよう、外観もしっかり作り上げているのです。
DIZOのヘッドフォンはBluetooth接続でDIZOのフィーチャーフォンとペアリングして使えるかもしれませんが、DIZOのスマートウォッチはフィーチャーフォンでは使えません。そう考えると、いずれDIZOは日本円で5000円程度の激安スマートフォンを投入することも十分考えられます。あるいはrealmeからDIZOの名前を付けた格安スマートフォンを出す、なんて展開もあるのかもしれません。
Strategyanalyticsの調査によると、2021年第2四半期のヨーロッパのスマートフォン市場で、シャオミがサムスンを抜いてトップに立ちました。前年同期比で67.1%という高い成長を記録したのです。しかしそれ以上に驚きだったのはrealmeがシェア5位にはいったこと。まだ1.9%とシェアは少ないものの、前年同期比の成長率は1800%以上。この1年でほぼゼロからメジャーメーカーの1歩手前の位置まで数を伸ばしたのです。今後はDIZOとのデュアルブランドでスマートフォンから生活に必要なAIoT製品をカバーしていくことで、realmeの躍進はまだまだ続くでしょう。
「スマホ好き」を名乗るなら絶対に読むべき
山根博士の新連載がASCII倶楽部で好評連載中!
長年、自らの足で携帯業界を取材しつづけている山根博士が、栄枯盛衰を解説。アスキーの連載「山根博士の海外モバイル通信」が世界のモバイルの「いま」と「未来」に関するものならば、ASCII倶楽部の「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」は、モバイルの「過去」を知るための新連載!
「アップルも最初は試行錯誤していた」「ノキアはなぜ、モバイルの王者の座を降りたのか」──熟練のガジェットマニアならなつかしく、若いモバイラーなら逆に新鮮。「スマホ」を語る上で絶対に必要な業界の歴史を山根博士と振り返りましょう!
→ASCII倶楽部「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」を読む
★ASCII倶楽部は、ASCIIが提供する会員サービスです。有料会員に登録すると、 会員限定の連載記事、特集企画が読めるようになるほか、過去の映像企画のアーカイブ閲覧、編集部員の生の声を掲載する会員限定メルマガの受信もできるようになります。さらに、電子雑誌「週刊アスキー」がバックナンバーを含めてブラウザー上で読み放題になるサービスも展開中です。
この連載の記事
-
第731回
スマホ
スマホ世界シェア4位をうかがう「Infinix」から激薄モデルや折りたたみが続々 -
第730回
スマホ
AQUOS R9 proのカメラ周りをドレスアップ! フィルター装着で広がるスマホの楽しみ方 -
第729回
スマホ
激薄折りたたみ「Galaxy Z Fold Special Edition」のケース3種類を試す -
第728回
スマホ
Xiaomi 14Tにフィルター装着できるMagSafeケース、香港の予約特典に登場 -
第727回
スマホ
Galaxyの2025年モデルがいよいよ登場「Galaxy A16 5G」が販売開始 -
第726回
スマホ
1700万円のシャオミ製スーパースポーツEV「SU7 Ultra」を広州モーターショーで見た -
第725回
スマホ
この冬一番の注目スマホ、超薄型折りたたみの「心系天下W25」がサムスンから登場 -
第724回
スマホ
駅名ごとGalaxy! クアラルンプールの「Samsung Galaxy駅」がスゴすぎた! -
第723回
スマホ
レトロデザインが可愛すぎる!? Nokiaケータイ風リュックの良さを知ってほしい! -
第722回
スマホ
iPhone 16発売直後の深セン、中国でも中古買い取りショップと転売が盛況 -
第721回
スマホ
日本と変わらぬ熱気がスゴイ! 中国・深セン版「ポタフェス」に行った - この連載の一覧へ