7月最終週、GAFAを始めとする米大手テック企業が2021年4-6月期の決算を発表しました。コロナ禍で世界経済が急減速した前年と比べて好決算が多いものの、その中身は明暗が分かれる結果に。さらに経済再開後の課題も見えてきました。
「アマゾンショック」発生、でもAWSは好調
四半期決算で大きくつまずいたのがAmazon.com(アマゾン)です。売上高が市場予想を下回り、今後の成長鈍化の見通しを発表したことで株価を大きく下げる結果となり、日本経済新聞は「アマゾンショック」と報じています。
問題はEコマース事業です。売上は昨年比で16%増としっかり増えているものの、巣ごもり需要で好調すぎた2020年4-6月期に比べると見劣りします。経済再開によってEコマースの利用が減っていく可能性が数字に現れつつあるといえます。
しかもアマゾンは1年に1回のセール「プライムデー」を6月に開催しています。アマゾンは「大成功だった」というものの、切り札を使ったにも関わらず四半期の数字としては伸び悩んだことになり、決算会見でも「プライムデーは本当に1年に1回なのか(2回目はないのか)」と心配する声が出ていました。
良い兆しとしてはクラウドのAWS事業が伸び続けていることです。利益率の低いEコマースに対してAWSは利幅が大きく、アマゾン全体の営業利益の半分以上を占めています。経済再開が始まってもデジタル化の需要が続いていることはテック業界にとって明るいニュースでしょう。

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