GPU負荷が高く、フレームレートが大きくダウンするリアルタイム・レイトレーシング(DXR)対応ゲームのプレイや、WQHD、4Kゲーミングを手助けする注目の技術が、AMDのオープンソース超解像技術「FidelityFX Super Resolution(FSR)」だ。
詳しいことは、大原氏の記事や、ジサトラKTU#205を見てもらいたいが、簡単に言うとFSRはNVIDIAのDLSSに対抗した技術になる。
最大のポイントは、DLSSと異なりRadeon、GeForceを問わないうえ、Radeon RX 400やGeForce GTX 10シリーズといった数世代前のGPUで使用できる。ゲームタイトル側のサポートが必要なのは同じで、対応はまだまだこれからだが、AMD FSRの発表から1ヵ月程度たった7月20日のアップデートで「バイオハザード ヴィレッジ」が対応したので、さっそくFSRを試してみるとことにした。

バイオハザード ヴィレッジは画質設定に、「FidelityFX Super Resolution 1.0」の項目が追加され、「Ultra Quality」、「Quality」、「Balanced」、「Performance」の4種類を選択できる
Radeon RX 580でバイオハザード ヴィレッジをプレイしてみた
今回テストに使ったビデオカードは、2017年4月に発売された3世代前のミドルレンジGPUとなるRadeon RX 580だ。
筆者はmacOS環境のeGPU用に愛用しているが、Radeon RX 500シリーズと言えば、2017年に訪れたマイニングブームの終焉とともに訪れたRadeonビデオカードの大暴落や、その後のRadeon RX 590投入時のお買得な特価品など、タイミング次第ではかなり高コストパフォーマンスだったビデオカードのひとつ。
実際、2019年前半にRadeon RX 500シリーズを使って、高コスパゲーミングPCを組んだ人も多いだろう。パフォーマンスはGeForce GTX 1660クラスで、ビデオカードの品薄を受けて2021年4月にも再販されるなど、まだまだ現役だ。
バイオハザード ヴィレッジの負荷は、レイトレーシング(DXR)を使わなければ、あまり高くない。Radeon RX 580ならフルHD解像度、最高画質「限界突破」で、フレームレート60fp超えは余裕だが、WQHD、4K解像度だと60fpsを切ってしまうので、FSPを試すにはちょうど良い感じだ。
テスト環境 | |
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CPU | AMD「Ryzen 9 5900X」 (12コア/24スレッド、3.7~4.8GHz) |
CPUクーラー | ARCTIC「Liquid Freezer II 280 Rev.4」 (簡易水冷、280mmラジエーター) |
マザーボード | MSI「MEG X570 UNIFY」 (AMD X570、ATX) |
メモリー | G.SKILL「F4-3600C16D-32GTZNC」 (DDR4-3600 16GB×2) |
ビデオカード | MSI「Radeon RX 580 ARMOR MK2 8G OC」 (Radeon RX 580、GDDR5 8GB) |
ストレージ | Western Digital「WD Blue SN550 NVMe WDS100T2B0C」 (PCIe3.0 NVMe、1TB) |
電源ユニット | Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W」 (80PLUS PLATINUM、1000W) |
OS | Microsoft「Windows 10 Pro」64bit版 (Windows10 May 2021 Update適用) |
Radeon RX 580ビデオカードは、定番ベンチマークを使って、改めてパフォーマンスを計測しているので、参考にしてもらいたい。

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