Safariのサイドバーの存在意義を改革するタブグループ
世の中にはさまざまなウェブブラウザーが出回っているが、特に一般ユーザー向けのブラウザーを見れば、ユーザーインターフェースは似たりよったりで、少なくとも見た目がそれほど大きく異なっている例は少ない。特に、ブラウザーのウィンドウの上辺に沿って配置されるツールバーの類は、多くのブラウザーにほぼ共通するインターフェースとなっている。
その中でも、ブラウズするページのURLや、検索語を入力するアドレス入力欄を含むツールバーと、複数のページを開いて即座に切り替えるためのタブを並べるタブバーは、操作頻度が高いため、常に表示しておくのが普通だろう。ほとんどのブラウザーでは、それらを別々のバーとして配置するのが普通なので、少なくとも2段のバーがスペースを専有することになる。
新しいSafariは、ついにそこにメスを入れた。その方法は、言われてみればなるほどと思えるものかもしれないが、これまでの常識をくつがえす大胆な手法に見える。それは、通常ならサイトのタイトルやファビコンを表示するだけのタブそのものを、アドレス入力欄としても利用するというもの。
タブの数が多くなると、どうしてもアドレス入力欄の幅が狭くなるのはやむをえない。それでも、入力、編集中のタブの幅は一定の幅以下にはならないようになっているため、特に使いにくさを感じることはない。
この新しいタブとともに導入されたのが、関連する複数のタブを分類、整理できるタブグループだ。タブグループ自体は、すでに他社のブラウザーも盛んに採用していて、Safariによる採用は遅い方だが、歓迎すべきことには違いない。タブグループを利用するには、まずSafariのサイドバーを表示する必要がある。タブグループ自体も、タブグループを操作するボタンもサイドバーの中に表示されるからだ。
これまでのSafariのサイドバーは、ブックマーク、またはリーディングリストのいずれかを切り替えてリスト表示するだけのものだった。必要に応じてメニュー代わりに表示する程度で、使用頻度が低いという人も多かったものと想像できる。新しいサイドバーの見た目や機能は、これまでとはかなり違った印象のものとなる。サイドバーを開いたまま使う機会も増えるだろう。
サイドバー上で選択するタブグループの名前部分の右端には、田の字型のボタンが配置されている。これをクリックすると、そのグループに登録されているタブのページ内容のサムネールがウィンドウいっぱいに展開される。これは、タブグループの中身の見通しを良くする、優れたアイディアだと感じられる。
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