キーボードの好みは人それぞれ。ノートPCのような浅いストロークが好みの人もいるし、ピッチ(キー間隔)が広いものがいいという人もいる。押した感触がしっかり欲しいからクリック感を重視する人もいるし、カチャっという打鍵音が必須だという人もいる。
自分好みのキーボードを探求し、すでに納得できるものに出会えているのであれば、それは素晴らしいことだ。しかし、そこまでキーボードにこだわりを持っているのは少数派。むしろ、PCに付属してきたキーボードを何となく使っている……という人の方が多いだろう。
単純に「いいキーボードに買い替えましょう」というのは簡単だ。しかし、多数のキーボードを長期間使い比べでもしない限り、そもそもどのキーボードがいいのかが分かりにくい。なんとなくよさそうだからという理由で買った高価な製品が、実は自分に合わなかった……となってしまえば目も当てられない。また、PCに付属してきたキーボードとはいえ、実はそれが自分にとって最良だった、という可能性もある。
では、どんな人が買い替えた方がいいのだろう。これはとても簡単な判断方法がある。それは、肩こりや背中の張り、腕や手首の痛みがあるかどうかだ。使いにくいキーボードは無理な姿勢になることが多く、知らず知らずのうちに指先以外の部分にも力が入り、体への負担になってしまう。短時間なら問題ないが、最近はテレワークやリモートワークの導入が進み、PCを操作している時間が長くなりがちなだけに、こういった体の不調が出やすい。
1日の終わりには体がバキバキになり、肩が悲鳴を上げているというのであれば、キーボードを変えるだけでもだいぶ改善されるだろう。
こういった人にオススメなのが、人間工学に基づいてデザインされたロジクールのエルゴノミックキーボード「ERGO K860」。打ち心地はもちろんのこと、手の角度や姿勢までも考慮された製品だけに、肩や腕への負担を減らせる可能性は高い。このキーボードについて、詳しく紹介していこう。
腕や手首が自然な角度のまま打鍵できる
メインのキーが左右に分割されているうえ、「ハ」の字になるよう斜めに配置。さらに、中央が高くなっているという独特なデザインは、普段フラットなキーボードを使っている人の目にとって、かなり特殊なものに映るだろう。実はこれ、すべて手を自然な角度で置けるようにする工夫となっている。
一般的なキーボードはキーがすべて横一列に並んでいるが、これに合わせて手を置こうとすると、知らず知らずのうちに、脇を締めて肩をすぼめるような姿勢になる。これは、キーに対して指の位置を合わせてしまうからだ。
短時間であればこれで問題ないが、長時間になると、肩や背中が窮屈に感じ、これにより肩こりの原因となりやすい。少しでも楽になるよう背中を丸めると猫背になり、今度は背中の痛みまで出てきてしまうだろう。
もちろん、一般的なキーボードでも腕を広げて指を置くことはできるが、この場合は手首を外向きに曲げ続けることになり、長時間続けるのは難しい。特に背の高いキーボードの場合は、加えて手首を上向きに反らせることになるため、かなり負担の大きい姿勢になってしまう。
長時間キーボードを使っていると手首が痛くなるという人は、普段キーボードを使っているときの手首の角度をチェックしてみよう。かなりの確率で、手首に力を入れてキーに向きを合わせていることに気づくはずだ。
ERGO K860は腕の角度だけでなく、手首の角度も自然に置けるよう工夫がされている。立った姿勢で肘を90度曲げてみると分かるが、多くの人は、手のひらが内側に向いているはずだ。ここから脇を軽く開くと、手のひらは少し下向きになる。これが、キーボードを打つときの自然な角度となる。
一般的なキーボードでは手のひらを水平にするため、ここから手首をねじることになる。これに対してERGO K860は中央が高くなっているため、手首をねじる必要がなく、この自然な姿勢のままフィットするのがメリットだ。
また、大きなパームレストが手をしっかりと支えてくれるため、手首を浮かす必要がないというのもポイント。手首を少し浮かすくらいわけないと思われがちだが、これが意外とキツイ。特に肘をつかずに使う場合は腕全体を肩で支えなくてはならず、肩こりになりやすい。
パームレストの角度は3段階で調整可能。通常のキーボードでは奥側を高くして指が届きやすくするのだが、ERGO K860はパームレスト側を高くして手首が反らないよう調整できるのがユニークだ。
つまり、ERGO K860は指、手首、腕、そして肩に至るまで自然な角度のまま利用でき、力を入れることなく、リラックスして使えるように考えられた形状になっているわけだ。