iOSやmacOSの進化が見えた! 「WWDC21」特集 第17回
Apple Watch「新watchOS 8」パブリックベータ、集中モードやマインドフルネス試した
2021年07月09日 12時00分更新
いつ・どこで静かに実践できる「リフレクト」のセッション
筆者もさっそく、マインドフルネスアプリの新しいセッションであるリフレクトを体験してみた。リフレクトはApple Watchの画面に表示されるメッセージとアニメーションを、一定時間見つめながら瞑想を実践するセッション。音は鳴らないので、ヘッドホンやイヤホンの準備は要らない。Apple Watchが振動することもないので、屋外にいる時にも周囲に迷惑をかけることもない。心を落ち着かせたり、リラックスしたい瞬間にいつどこでも一人静かに始められる。
アプリを開くとリフレクト、呼吸を選択する画面が表示される。文字盤にマインドフルネスアプリのコンプリケーションを配置するとアクセスが素速くできる。
リフレクトを開始する前に、セッションリストの右肩に表示されている詳細設定用の「…」アイコンをタップすると、セッションの継続時間を1〜5分間のあいだ、1分刻みで選べる画面に遷移する。設定画面にはリフレクトセッションの実践方法について詳しい説明も記載されている。
リフレクトセッションがどのようなものかは、字面で説明するよりも動画を見ていただいた方が早いと思う。万華鏡、あるいは形を変える雲や水紋のように、黙っていつまでも見入ってしまうようなアニメーションに筆者も引き込まれた。
1分から5分間のあいだで長さを決められる「リフレクト」のセッション。メッセージが表示された後に深く瞑想に入るためのアニメーションがウォッチの画面に表示される
マインドフルネスの効果はどのように表れるのか
その効果はセッションを終えてすぐに“頭が冴える”、”気持ちがポジティブになる”といった手応えが得られるものではない。ただ、マインドフルネスの体験を繰り返しながら鍛錬を重ねると「自分の頭と心の中で起こっていることに向き合える能力」が育ち、やがて自身で心のバランスが整えられるようになるのだと、瞑想の効果を書籍「Meditation for Fidgety Skeptics」に記した米国のジャーナリスト、ダン・ハリス氏がWWDC21のオンライン講演で述べている。
筆者の場合は自己暗示的なものかもしれないが、原稿の締め切りが近づいて心がざわめき始めた時にリフレクトセッションを実践したところ、いくぶんか冷静さを取り戻せたように思う。Apple Watchの画面に表示される色鮮やかなアニメーションは、ただ漫然と眺めるよりも、自分の気分を持って行きたい方向へ意識的に心を集中させたうえで見つめ続ける方が、より期待する効果に近づけそうだ。
マインドフルネスアプリは1分以上のセッションを実践すると、その履歴がiPhoneのヘルスケアアプリに「マインドフル時間」として記録され、経過は日・週・月以上の単位でグラフになる。セッション単位の心拍数も記録される。この履歴はiPhoneのフィットネスアプリからチェックできる。
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