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鉄板&今が旬なパーツを性能検証!! 第36回

冷却性能の要はファンにあり! 人気の高級ファン4モデルをチェック ~夏に備えたPC冷却ガイド~

2021年07月05日 13時00分更新

文● 藤田 忠 編集●北村/ASCII

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5基のファンを実動チェック

高級ファン4モデル5製品をテスト

 ここからは検証用PCに取り付けて、各ファンを実際に動作させていこう。まずは各ファンの回転数ごとの騒音値を計測していこう。ファン回転数の制御には、NoctuaのPWMファンコントローラー「NA-FC1」を使用。各ファンの最低回転時や、回転率50%前後となる1000rpm、さらに200rpm刻みで最大回転までの騒音値を、ファン中心部から20cm離れた位置で計測している。

 騒音計で拾えない音や、ノイズが大きくなるハズレ回転数など、個人の印象とともに各ファンの騒音値と特徴を紹介していこう。

テスト環境
CPU AMD「Ryzen 9 5900X」
(12コア/24スレッド、3.7~4.8GHz)
CPUクーラー ARCTIC「Liquid Freezer II 280 Rev.4」
(簡易水冷、280mmラジエーター)
マザーボード MSI「MEG X570 UNIFY」
(AMD X570、ATX)
メモリー G.SKILL「Trident Z Neo F4-3600C16D-32GTZNC」
(DDR4-3600 16GB×2)
ビデオカード Palit「GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」
(GeForce RTX 3080 Ti、GDDR6 12GB)
SSD Western Digital「WD_Black SN850 NVMe WDS200T1X0E-00AFY0」
(PCIe4.0 NVMe、2TB)
電源ユニット Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W」
(80PLUS PLATINUM、1000W)
OS Microsoft「Windows 10 HOME」64bit版
(Windows 10 October 2020 Update適用)

Ryzen 9 5900Xなどで構成した環境でテストを行っている。また、騒音値の計測時は、ラジエーターファンをはじめ、電源ユニット内蔵ファンなど、各部のファンは停止させている

Noctua製PWMコントローラー「NA-FC1」を使って回転数を制御。回転数はPCで、確認しながら調節している

Noctua「NF-A12x25 PWM」

 まずは、そのカラーリングが気にならなければ、イチオシな「NF-A12x25 PWM」だが、最高回転となる2000rpmでも、耳につく高周波音や低周波音はなく、騒音値は40dBAを超えているが、静かで生活音に紛れる感じだ。1600rpm以下も非常に静かで、耳ざわりな音はなく、常時回転させても大丈夫と感じる。さらに1000rpm時に、ファン間近に耳を持っていったが、風切り音や軸音が気になることはなかった。

Noctua「NF-A12x25 PWM」の騒音値
最低回転数
(450rpm)
32.5dBA
1000rpm 33.3dBA
1200rpm 33.7dBA
1400rpm 34.2dBA
1600rpm 35.8dBA
1800rpm 38.5dBA
2000rpm 40.5dBA

ADATA「XPG VENTO PRO 120」

 続いての「XPG VENTO PRO 120」も十分静かかつ、1400rpm前後でも十分な風を生み出すが若干癖があり、「ブーン」という耳につく、うなり音を発する傾向にある。この音は回転数1200pmから徐々に大きくなるが、回転数が1500rpmを超えると減少、1650rpm前後で再び増えると、一定の回転数で発生する。PCケースや設置する場所次第では気にならないが、回転数固定での運用が必要になることもありそうだ。

ADATA「XPG VENTO PRO 120」の騒音値
最低回転数
(900rpm)
33.1dBA
1000rpm 33.5dBA
1200rpm 33.9dBA
1400rpm 34.1dBA
1600rpm 35.5dBA
1800rpm 38.2dBA
2000rpm 41.1dBA
2150rpm 44.2dBA

Cooler Master「MasterFan SF120M」

 3基目はデザインや回転制御スイッチに惹かれる「MasterFan SF120M」だ。静音性抜群のファンが並ぶと、微々たる差だが騒音値は全体的に高くなっている。1000rpmの低速回転時から、ボールベアリングならではのシャー(シュルシュル)という音が耳につく。1400~1500rpm時が最も緩和されたように感じた。「XPG VENTO PRO 120」と同じく、固定での運用が必要になるかも。

Cooler Master「MasterFan SF120M」の騒音値
最低回転数
(650rpm)
32.9dBA
1000rpm 33.4dBA
1200rpm 34.2dBA
1400rpm 35.3dBA
1600rpm 36.3dBA
1800rpm 38.2dBA
2000rpm 40.8dBA

Thermaltake「TOUGHFAN」シリーズ

 最後は「TOUGHFAN」シリーズだ。Noctua「NF-A12x25 PWM」と、そっくりな120mm径の「TOUGHFAN 12」だが、騒音値の傾向も同じで非常に静か。今回のテストでは、各回転数でわずかだが「NF-A12x25 PWM」を下回った。これは冷却性能にも期待できそうだ。

Thermaltake「TOUGHFAN 12」の騒音値
最低回転数
(500rpm)
31.2dBA
1000rpm 32.1dBA
1200rpm 32.5dBA
1400rpm 33.2dBA
1600rpm 34.1dBA
1800rpm 38.1dBA
2000rpm 39.8dBA

 変わって140mm径の「TOUGHFAN 14」だ。軸受構造は同じだが、120mm径と比べると、さすがにうるさく、1400rpmで40dBAに達している。このあとの冷却性のチェックで使用するオールインワン水冷ユニットのARCTIC「Liquid Freezer II 280 Rev.4」が標準搭載している140mmファンの騒音値を参考として並べておくが、ARCTICファンの静音性はかなり優秀という点は忘れないでほしい。

 なお、40dBAを超えてくると、シャーなどの耳につく音の有無は些細な違いになるが、「TOUGHFAN 12」と同じ軸受なので、1300rpm程度までの回転時に耳につく音はなかった。この回転数で運用した際の冷却性能がポイントだろう。

Thermaltake「TOUGHFAN 14」とARCTIC「Liquid Freezer II 280 Rev.4」標準搭載ファンの騒音値
最低回転数 500rpm/31.8dBA 350rpm/32.1dBA
1000rpm 32.8dBA 32.9dBA
1200rpm 35.8dBA 34.1dBA
1400rpm 40.7dBA 36.2dBA
1600rpm 44.3dBA 39.1dBA
1700rpm - 41.1dBA
1800rpm 48.3dBA -
2000rpm 51.1dBA -

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