DXR対応の「DIRT 5」では4Kだと辛い
ここからはDXR(DirectX Raytracing)を利用したゲームで検証する。DXRを利用したゲームの中では処理が軽めの「DIRT 5」から始めよう。画質は“Ultra High”、解像度の動的変更系機能はオフ、FidelityFXを使ったアンビエント・オクルージョンもUltra High、DXRはオンに設定した。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測する。
ここでは、RTX 3070 Ti FEが解像度を問わずRTX 2070 SUPERの1.5倍以上のフレームレートを発揮。RTコアを使う処理でも、旧世代70番台に比べてしっかりと性能差を発揮できることを示した。
フルHD〜WQHDなら最高画質設定でも60fpsオーバーの値を出すことが可能だが、4K&最高画質では性能がもう少し足らない印象。4Kプレイ重視ならRTX 3080 Ti(またはまだ割高なRTX 3080)を選ぶべきだが、WQHDまでならRTX 3070 Tiでも十分快適な環境が得られるだろう。
DXR+DLSSのパフォーマンスを
「Watch Dogs: Legion」で見る
「Watch Dogs: Legion」では、レイトレーシング“最大”+DLSS“高性能”とし、RTコアとTensorコアを使った時のパフォーマンスを見てみたい。APIはDirectX 12、画質は“最大”、さらに精細度は100%固定とした。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測する。
フルHDでGPU間のフレームレートに大きな差がついていないのはOUTRIDERSと同じで、DLSS(Tensorコア)に起因するボトルネックが影響している。だが、解像度が高くなるほどGPUのCUDAコア数やメモリー搭載量、バス幅のリッチなGPUがフレームレートを伸ばす傾向が強く観測できる。特にRTX 3070 Ti FE以下のGPUでは、4Kでフレームレートを大きく落としているが、メモリーバス幅と搭載量の両方が強く関係していると考えられる。
「Cyberpunk 2077」でも高解像度ほど差がつく
実ゲーム検証の最後は「Cyberpunk 2077」でしめくくろう。画質は“レイトレーシング:ウルトラ”+レイトレーシングのライティング“サイコ”+DLSS“パフォーマンス”に設定。群衆密度も最高設定とした。マップの特定のルートを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」を使用して測定する。
フルHDではフレームレートの大小とGPUのランクがあまり一致しないが、これは手動計測による誤差のほかに、毎回群衆や車両の出方が変化するCyberpunk 2077の仕様による誤差が加わり、さらにDLSSのパフォーマンス設定によるボトルネックも影響している(OUTRIDERSやWatch Dogs: Legionと同じ)。
だが、WQHDや4Kになると描画負荷が十分に高まるため、GPUのパワー差がフレームレートに連動するようになる。ここでもRTX 3070 Ti FEとRTX 3080 FEの間に高い壁があることが示されている。
特に4Kでは、RTX 3080 FEが3070 Ti FEをおよそ40%上回る結果を出ており、80番台のGA102と70番台のGA104の実力差は圧倒的だ(もちろん価格と連動した実力差だが……)。Cyberpunk 2077でもプレイアブルなのはWQHDまで、4Kの場合はDXRをオフにするとか、設定をかなり妥協した方がよいだろう。

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