頑丈でしっかり作り込まれたボディーと打鍵感に優れたキーボードユニットも魅力
3万円台でWindows 10 Proを搭載、テレワーク用サブ機にも最適な質実剛健10.1型タブレット「FRONTIER FRT230P」
直販価格で3万4800円、リーズナブルで手に取りやすい
Windows 10 Pro搭載でビジネス利用にも◎
インバースネットの「FRONTIER FRT230P」は、FRONTIERブランドの2in1 Windowsタブレットだ。本体(タブレット部)のみだと10.1型でおよそ635gという軽量ボディーで、着脱式のキーボードユニットも備える。また、OSにWindows 10 Pro(64bit)を採用し、ビジネス利用を想定している点も特徴となっている。
外観と仕様、使用感を中心に、FRONTIER FRT230Pの魅力を紹介したい。
FRONTIERの直販サイトでの、FRONTIER FRT230Pの直販価格は3万4800円。Windows 10 Pro(64bit)を搭載しながらこの価格を実現している点は大きな魅力で、Windows 10 Pro(64bit)搭載の現行マシンとしては、もっともリーズナブルな選択肢の1つになるだろう。
その分、10.1型(800×1280ドット)ディスプレー、Celeron N4020(1.1GHz)、4GBメモリー(DDR3L 1066MHz)、64GB eMMCと、ある程度割り切った使い方が必要なスペックに仕上がっている。ただし、Core i7やCore i5を搭載するノートパソコンと比較すればという話であって、これくらいのスペックでも書類の作成やブラウジング、ブラウザー経由でのメールのやりとりや、動画サイトやVODサービスでの動画再生には必要十分。
Windows 10 Pro(64bit)ならではの機能として、紛失時に「BitLocker」機能を用いてストレージ内のデータを暗号化し、外部からの読み取りを困難にしたり、WIP(Windows Information Protection)機能を用いて、ユーザーの個人的なデータと、機密情報を含むビジネス用のデータを分離させ、意図しない機密情報の流出を防いだりといったことも可能になる。
高解像度で色再現性に優れたディスプレーや、動画の編集などに対応できるプロセッサーは持たない分、ビジネスで活用しやすい仕様に仕上げてあり、用途によっては、こちらの方に価値があると感じる人も多いはずだ。
頑丈でしっかり作り込まれたボディーと
打鍵感に優れたキーボードユニット
3万4800円という価格から、「チープな質感なのでは?」と想像する人も少なくないと思う。確かに、本機の大部分は樹脂素材で、マグネシウムやアルミニウムを筐体に用いたり、こだわりの塗装を採用したりする高価格帯のモデルのような高級感はない。
ところが、いかにもチープで安価なパソコンという印象もない。樹脂製の筐体には艶消しの塗装を施し、形状はごくシンプルに仕上げてある。トップカバー部にはインターフェースの種類がアイコンで印字してあり、実用性を第一に考えていることがわかる。さらに、ボディーはかなり頑丈で、強めにひねってみても、たわみやきしみは感じられない。
本体(タブレット部)とキーボードユニットを接続するジョイントも非常に頑丈で、取り付けるとヒンジ内部のフックでしっかりと固定される。また、取り外す際はヒンジ中央のボタンを押すだけで、簡単に取り外せる。着脱式のキーボードを備えるモデルの最近のトレンドは、マグネットによる着脱だが、物理的に固定されている方が好みという人も多いはず。なぜなら、意図せずにユニットが外れてしまう心配が少ないからだ。
本体とキーボードの位置を合わせるためのガイド用のピンに金属素材を採用しているのも好印象。ここは、ヒンジと一体成形の樹脂ですませてしまった方がコスト的には安価なはずだが、強度や使用時の安定感を考えれば、やはり金属素材の方がベターだ。
全体的に、業務用の端末風であり、無骨で硬派な印象に仕上がっている。表面的なデザインや塗装といったことよりも、ジョイント部の頑丈な構造に気を配るといった、質実剛健なモノづくりの雰囲気が感じられるモデルである。
キーボードユニット部の作りのよさもなかなかで、キーストロークはおよそ2.5mmと、最近の薄型ノートパソコンではあまり見られない深さを実現している。レイアウトは標準的なJISの83キーで、配列にクセはないが、フレームがなくキーとキーが直接隣り合っている構造のため、その点だけは慣れが必要かもしれない。
とはいえ、着脱式のキーボードユニットとしては打鍵感が非常によく、どちらかというと小型のノートパソコンや、ひと昔前の言葉を持ち出せば「ネットブック」に搭載されていたようなキーボードに近い。こうした着脱式のキーボードをそなえるマシンはどんどん薄型化が進んでいて、「薄い中でいかに快適な打鍵感を実現するか」という方向で設計されているが、本機の場合、キーボードユニット側だけでおよそ13mmの厚みを備えており、決して薄くはない。
これを割り切った仕様と見ることもできるが、一般的なノートパソコンと同等か、それ以上の打鍵感を実現できていると考えれば、大きなメリットでもあると思う。
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