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オヤジホビー-ワタシが好きな物はみんなも好き、かもしれない- 第282回

米軍車両ハンヴィー、過去最大の重整備のためドック入りに

2021年06月06日 17時00分更新

文● むきみ(@TK6506) 編集● ASCII

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またまた何かが漏れました

 去年の車検時にリアデフやトランスファーからのオイル漏れが見つかったハンヴィー(「第255回 米軍車両ハンヴィー、年に一度の重整備でまたもやオイル漏れが発覚」「第256回  米軍車両ハンヴィー、4WD車ならではのオイル漏れが発覚!」)。もちろんその時に修理をしてもらったんですけど、それから3ヵ月ほど経ったころ、地面に何やら不穏なシミがあるのを発見しました。

 うちのハンヴィーは燃料タンクに持病があって、思いっきり満タンにすると上から漏れてしまうんですよね。それで給油中にオートストップしたらそこでやめるようにしているんですけど、揺れのせいか走行後にジワジワと漏れてしまうことがあります。

 車検の時もタンクの外側が濡れたようになっていて、もしダダ漏れるようなことがあったら対策をしましょうと言われていました。それで時々チェックしていたらまさにそれが的中……と思いきや、さにあらず。

 燃料タンクはリアシートの下あたりにあるのに、シミがあったところはフロントシートよりも前。エンジンとミッションの接合部かオイルパンのあたりだったんです。デフでもトランスファーでもなく、今まで漏れているのを見たことのない場所です。

 シミに触ってみると水のような油のような、よくわからない手触りです。ATの作動油のATFではなさそうで、濡れているところを辿ってみるとオイルパンより上から来ているみたい。どうやらエンジンそのもののようです。だとしたらだいぶヤバみが深いので、毎度おなじみスカイオートに速攻で駆け込みました。

 そしてチェックをしてもらった結果、エンジン本体とついでに周囲のいろんなところからあれこれ漏れてることが判明。そのまま修理のためドック入りとなりました。ヒャー。

フロント部分をバラします

 漏れていたのはエンジンオイルとクーラント(冷却水)と燃料。やはり出どころはエンジン本体で、エンジン周りで漏れるものは全部漏れてる的な感じです。幸いそれほど酷くはなさそうですが、修理しないわけにはいきません。それに、ほかにも隠れた場所から漏れている可能性もあるので、徹底的に調べてもらうことにしました。

 で、ハンヴィーはこんな姿に。

ボンネットフードがなくなると急に弱っちくなるハンヴィー。ボンネットフードのルーバーの真下に、巨大なラジエーターが斜めに設置されています

ラジエーターの前の方に乗っかっている小さいラジエーターみたいなのは、パワステオイルのクーラー。ラジエーターと一緒に外します

 まずはボンネットフードを外してエンジンルームをむき出しにします。エンジンは前輪より後ろにあり、この状態でもはっきりとは見えていません。作業するには手前のラジエーターが邪魔なのがよくわかりますよね。

燃料ポンプもダメでした

 ラジエーターの後ろの隙間から覗くと、エンジンのフロント部分が黒っぽく濡れているし、下の方にあるホースには液体が流れた跡が見えます。どうやらどこかの隙間から漏れたオイルが下に伝わったようです。

真ん中の下にある太いホースはラジエーターの下側につながるホース。濡れた線が横向きに走っているのは、クーリング・ファンの風で飛ばされたため

 このホースはラジエーターのロアホース。ラジエーターで冷やされたクーラントをエンジンに送り込むためのホースです。漏出点はここではなく、もっと上。

 ただ、これ以上は横から見てもわからないため、ラジエーターやパワステオイルクーラー、風をファンに送るシュラウドなど、エンジンの前にある物をゴッソリ外します。

ラジエーターなどを外しました。エンジンがめちゃくちゃ後方にあり、キャビンに食い込んでいるのがわかります

ファンのすぐ後ろ、左下に見えるのがラジエーターホースです。その左には液体が滴り落ちた跡が

 この状態だと下の方もよく見えます。ラジエーターのロアホースの斜め後ろには機械式燃料ポンプがあり、その下のパイプやフレームに液体が転々と付着していました。ホースのところの漏れとは別に、燃料ポンプから燃料漏れを起こしているようです。残念ながらこれは要交換です。

 それにしても、こうして見るとハンヴィーのエンジンルームってほとんどがラジエーターで占められてるっていうことがよくわかりますよね。エンジンの後ろ半分はフロントウインドーより中に入り込んでいて。

 車内から見ると運転席と助手席の間にボコっと盛り上がっているカバーがあって、そのすぐ向こうにエンジン後部があるんですよ。夏になったら室内がめっちゃ暑くなるのも当然です。

ウォーターポンプを予防的交換

 まだまだ外します。次はクーリング・ファン。

ファンとファンベルトを外した状態。ラジエーターホースの内側がかなり濡れています。ファンが付いていたプーリーの右側もですね

外したファンとファンを固定するためのカップリング。こちらは汚れてるけど異常なし

 ファンで隠れていたロワーホース内側が見え、思った以上に濡れていました。また、プーリーの右も黒く濡れているので、このあたりからも漏れているようです。

 続いてはこのプーリーを外します。

プーリーを外すとウォーターポンプが出てきます。右も左も濡れてる状態ですね

 プーリーが付いていた軸は冷却水を循環させるウォーターポンプのもの。ウォーターポンプは異常がなかったんですが、割と故障しやすく、もし壊れたらまたここまでバラさないといけないため予防的に新品に交換することにしました。

エンジンユニットの様子がよくわかります。6200ccもあるので流石にデカいですね。エンジンの手前下に見えてる平べったい円盤はブレーキディスク。こんなところに付いています

 クーリングファンがなくなると、エンジンの全体像がよくわかるようになりました。向かって一番右にあるプーリーはオルタネーターで、ハンヴィーを市販化したハマーH1の場合はオルタネーターが反対側に移設され、ここにエアコンのコンプレッサーがあるようです。ハンヴィーはエアコンがないのでコンプレッサーもありません。

 あれですね。ファンがなくなると急に何にもなくなった感が強くなりますね。ここまでバラしたのは初めてで、なんだか満身創痍みたいで可哀想になってしまいました。

 でもそうは言ってられません。次回、もっともっとバラしていきます。

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